基地の返還問題
今夜はやけに、米軍ヘリの夜間訓練と、エイサーの大太鼓の音が大きい。
騒音問題とは、子供の泣き声の相乗効果のように、
自己責任と他人事の境界がなくなった時に起きる。
現在、沖縄県の1割を占める駐留米軍施設・区域のうち、
11施設5000haの返還が合意されている。
平成8年のSACO最終報告書より、
1.普天間飛行場
2.北部訓練場
3.安波訓練場
4.ギンバル訓練場
5.楚辺通信所
6.読谷補助飛行場
7.キャンプ桑江
8.瀬名波通信施設
9.牧港補給地区
10.那覇港湾施設
11.住宅統合(キャンプ桑江及び瑞慶覧)
その後2006年において、約1000haまで絞り込まれたが、
それでも戦後行われた、沖縄の市街地開発事業の面積に匹敵する。
日本でこれだけの土地利用転換が行われるのは、
戦後の混乱期の農地改革以来である。
政治的な意図とは別に、純粋な都市計画の議論をする必要がある。
これは地権者と国との問題ではない。
もう既に動き始めた計画もある。
総合的かつバランスある計画が望まれる。
沖縄県では国土利用計画、土地利用計画が策定されている。
詳細を見ていくと、跡地利用に関する土地利用方針は示されず、
以下のような課題が浮かび上がる。
1.人口フレームとのバランス
2.移転整備プログラム
3.整備手法の再検討
4.土地利用と交通計画
5.用地補償のコンセンサス
いづれも街づくりの根本から議論すべき問題である。
ギンバル返還が行われた金武町を訪ねる。
かつては東洋一とまで言われた社交街は、昭和のレトロな雰囲気と、
整備された街並みとのバランスで成立っている。
この街並の活かし方がこの町の活性化を握るカギである。
ギンバルの跡地利用計画については、概要が既に町民に示されており、
休養、医療、スポーツ施設などが計画されている。
まだ未定の部分もあるが、周辺は岬の風光明媚な環境で、基地の町から、
自然の中の健康な街づくりという町の良いイメージが出来上がる。
そして、自分にとって、
これからの日本の新しい街づくりのイメージが湧いてきた。
関連記事