1年間でパラオが変ったのは、意外にも日本人観光客の増加である。
震災の影響で海外への旅行者は全体で6%減少予測がでたが、
パラオは前年比で40%増というデータもある。
これは3年前に既に予想していた。
答えは簡単で行き慣れたグアム、ハワイよりもパラオの方が
未知の自然の魅力が詰まっているからである。
パラオは観光の国である。
中心都市のコロールが安全で美しい街になることが、
さらにこの国の発展を約束する。
パラオオリジナルのお土産も増え、魅力的な
観光客向けのみやげ屋も増えている。
歩道の花壇BOXに花を植えたとPCC学長は自慢していた。
地元学校や青年団?のボランティアによる清掃なども行われており、
ごみの4R活動も行っている。
実際はどうなのだろう。パラオ最後の朝、
ガソリンを詰めるついでに、ごみ拾いに参加した。
このような活動で、目につくのは欧米人で真剣に分別している。
パラオ人はもとより、公園を一番多く利用するフィリピン人はゴミ拾いに
参加すべきだが、朝からグループで公園に集まって涼んでいる。
最も、安い給料でパラオの労働を担っているのは彼らで、週1回の休日を
公園で仲間と過ごすのが、生活の楽しみだから仕方ないだろう。
公園のごみは意図的に投げたというよりは、空き缶、ビニール袋、
アメの包みなど生活慣習として、自然に悪気なく捨てたものが多い。
これは次世代への教育・指導しか方法はない。
日本の場合は、まとめたファーストフードのごみ、
ビニールに詰めておいたもの、電池など捨てるのに面倒くさいものなど、
捨てるのは悪いことは教育上知っているけど、少し気配りしました、
というような確信犯が多い。
公道のごみを片付いていくが、民地のごみ溜りが気になってしまう。
パブリック空間とは、道路から見える景観のことである。
サンゴの生育する海沿いの道を行く。
平均的な日本人ならこんな海に、殺風景なホテルを作ったり、
ごみを捨てようなどとは思わないだろう。
このような活動も、犬の散歩ついでに来た主婦、買物ついでに来ました娘、
観光ついでに来ました風でも、何でもありで、楽しんで欲しいと思った。
大国の狭間で生き延びなければならないパラオは、
観光立国の宿命で、足元と背中を見せることから
街づくりを始めなければならない。