沖縄では、2000年に男性の平均寿命が全国26位に後退したことを26ショックと呼ぶ。
現在は、マスコミを中心に全県挙げた健康キャンペーンが本土に遅れ展開されている。
厚生省都道府県別平均余命
しかし、その理由は急に多くの高齢者が亡くなったからではなく、統計の世界では
ある程度予測できた結果であり、ここに平均寿命算定の妙がある。
統計上の平均寿命とは、死亡年齢の平均ではなく0歳児の平均余命のことである。
平均余命の算定方法は
,X歳における生存数
Lx人について、
これらの者が
X歳以降に生存する年数の平均を
X歳における平均余命といい、
これを
Exで表す。
X歳以上の定常人口総数を
Txとすると、
Ex=Tx/Lx となる
つまりこの算定では、年齢別人口が自然増減の範囲で緩やかに変化する扁平な形で、
かつ、幼齢年齢層が少なければ平均年齢は上がることになる。
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沖縄は元々長寿県であり、戦時の男性の失われた世代を除けば、20年前までは
自然増減の緩やかな形状であった。その後、人口バランスが崩れた高齢化社会に移行したが、
本土の少子高齢化型に比べると幼年人口比率は以前高い。
この人口バランスの変化が当算定による平均寿命の相対的な低下に移行したと考えられる。
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現在でも沖縄は20歳以上の各年齢層の女性の平均余命は日本一、
男性は65歳以上が一、二位の今だ長寿県なのである。
むしろ、今後の課題は30~40代の平均余命の低下で、
特に幼年、生産年齢層の生活習慣病が懸念されている。
農水省出身の西丸震哉が1990年に出版した『41歳寿命説』という本があった。
彼は食生態学を確立し、登山、旅行作家としての知識には感化されるものがあった。
しかし、この本によりデマゴーグの評価を受けたが、本の内容は
この平均寿命の算定を巧みに仮定したもので説得力もあった。
ただ、その仮定には疫病による被害と昭和34年生まれ以降の年代の
環境悪化による化学汚染物質の影響が過大評価されていただけである。
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都市計画は人口目標を算定することから始まる。この将来人口予測という
理論的予測と都市のあるべき人口目標は一致しなければならない。
しかし、各地各種のマスタープランには希望的数値目標が多く見られた。
その過剰な人口に見合った街を増やし公共施設を計画した結果、
無駄な公共物を造り地価を上げバブルを生んだ。
人口計画の誤りが地方都市の疲弊につながったとも言える。
広域の将来人口は、コーホート予測法により階層ごとの死亡率、出生率、
国際移動などの要素から求められ、日本はすでに人口減少時代に入ったとされる。
総理府資料
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現在の将来人口予測は、人口減少予測に基づく時系列回帰などを行うが、80年代頃の
地域の人口予測では、直線回帰、指数回帰などの統計学的各種トレンド予測が主流であった。
その理由の一つには、人口増加が補助金を得るための理由付けになる背景があった。
新しい道路建設に関してはB/C(費用対効果)の判断が必要となり、交通量の増加、
すなわちサービス圏人口の増加が見込まれない新路線の認可は難しくなった。
ただ、バブル時に常態化していた人口や交通量の上乗せ算定を行っていないとは言い切れない。