アメリカは憧れの国であったが嫌いな国でもあった。
コーラとロックが麻薬のように覚醒した60時代を駆け抜けると、
強者の理論で暴力的に大量消費する国から興味は失われていった。
沖縄を含めた外国から日本を見ると、世界一平和な国は,
見方を変えると世界一災害の多い小さな危うい島に見えてくる。
大戦争が起きるまで、大災害が起きるまで何もしないのは偽の平和であって、
上の者から腹を切れと言われれば腹を切る、周りを気遣う精神風土と
危険なものをももてなす国民性のためであろうか。
日本は繁栄のため反面教師のアメリカに寄り添い65年、
巡り巡ってアメリカの大きな存在に改めて気付かされる。
日銀と政府の行った大胆な金融政策による円高是正も、結局はアメリカの経済指標に左右され、
普天間基地の移設に関しても、結局はアメリカがカギを握っている。
国別CO2排出量 EPA(アメリカ環境保護機構)
CO2による地球温暖化理論の先鞭をつけたアメリカは、総量では中国に次ぐが、
一人当たりの排出量は18トンと日本の2倍で群を抜いている。
進んだ日本の省エネは技術開発の余地はまだあるとはいえ、
アメリカが本腰を上げ国民が取り組まなければ、地球環境問題は解決に向かわない。
アメリカを見れば10年後の日本が見えると言われた時期があった。
工業系デザインの分野も欧米のものを追随した歴史があり、
照明から都市計画に至るまで、〇〇のような、と支持されることもあった。
写真だけでは意図するものはわからず、参考にするため現場に行きたいと思った。
Sun City Arizona
核の世界を創ったアメリカは、原子力に関する技術と資料は高度かつ多彩であるが、
政策については、核廃棄に関する課題は日本同様にあり疑問視されている。
アメリカの環境保護団体の歴史は古く、多彩で世界の活動をリードするものや
有給スタッフも多く、献金により資金的に企業並みの団体も多い。
1892年に創設されたシエラクラブは、最も歴史と実績がありカリフォルニア州の記念硬貨になっている。
その活動は軍事、原子力、都市計画や人口計画の提言、政治活動にまで及んでいる。
経済、戦争、環境、そのシステムをリードするのはアメリカであるが、
キャスティングボードを握るのは、国内の市民活動や少数派民族かもしれない。
デモクラシーが息づき正義と慈善を重んじながら、また戦争に向かっていくアメリカ。
団塊世代以前の人が持つ、悔しいけど目標にすべき国というイメージは、大好きだけど嫌いという
イメージに変わったが、若い世代は思い入れも嫌悪感もなくなっているのだろう。