日米の台風予想の違い

Katzu

2012年10月22日 11:56

 先週、沖縄南方に停滞した台風21号は不思議な台風であった。
この台風の進路予想については非常に予想が難しく、いつ来るか
わからない台風に、沖縄県民の生活行動に多大な影響を与えた。
 気象庁が台風発生を伝えた1日前、
在日米軍の気象予報サイトでは、台風の進路予想を発表していた。



この予想図は一目瞭然で、台風は進路を急激に東に変え、
沖縄の東部を北上していく。
沖縄本島に影響はあるが、直撃の可能性はあるが低いだろう、
という判断ができ、次の行動に移ることができた。

 一方、気象庁をはじめ、日本の天気予報サイトでは
1日遅れで台風の発生を報じた。
これは台風の定義が、北西太平洋および南シナ海において
最大風速17m/s以上になった熱帯性低気圧を台風と呼ぶ、
となっており、正確に台風発生として発表するためである。
 予報の内容を見ると、台風の進路には注意が必要としながらも、
進路予想図をこのまま解釈すると、本島直撃しそうだと思ってしまう。


 その後、台風が停滞したことで益々混乱が生じた。
日本の気象予報は統計を数値化することが得意で、
各地点の台風上陸確率を示すサイトもある。
しかし、今回のケースでは全く機能しなかった。
台風から北東方向の大東島より、北西方向の
宮古島の上陸確率の方がかなり高かった。
結果的には、台風が停滞した時間のずれはあるが、
在日米軍の予報サイトの方が、タイムリーで進路予想も的確で
行動を予定通り遂行することができた。

 日本の気象予報は正確な数値を求められるが、
確信できない予想は発表しないことを原則としている。
果たして、防災面、ユーザーサービス、情報公開の面から
これで良いのだろうか。
緊急性を帯びた災害には、何も機能しなかった大震災の教訓を
もっと活かすべきではないだろうか。
 沖縄県民の目線からすると、好きでもない他国からの情報など
利用したくないが、天気情報が命の農漁業従事者にとって、
このサイトを重宝する人もいる。
 天気図を見ると、沖縄は南の端なので見えにくく、南方の情報が
少なく、台風情報からその概要を把握しなければならない。
天気予報にも地域差別があるようにいつも感じてしまう。



 現在、台風21号は熱帯低気圧となり、
台風情報では新しい台風は発生していない。

しかし、グアムの気象衛星図を見ると、パラオ北方、
グアムの西海上に台風のような雲の固まりが確認される。



 米軍サイトを見ると、もうすでに進路予想まで出ている。
恐らく迷走しながら、台風の威力は弱まるだろうが、
来週にはまた注意が必要になる。


関連記事