北の夏・南の夏

Katzu

2017年09月02日 15:43



 8月22日、標高1500m地点の蔵王山(ざおうん)は夏のワタスゲの季節を過ぎ、いつもは秋の最後に咲く エゾオヤマリンドウが既に花をつけていた。



時折晴れ間の見えた空は、予報通り正午に雷が聞こえ突然降雨になった。今年、東北は冷夏で仙台では観測史上初めて36日間連続で雨が降った。このままでは、日照時間が少ないままに夏は終わってしまう。



アサギマダラは渡り蝶として有名で、2006年8月、蔵王スキー場でマーキングしたアサギマダラが11月に2,200km離れた与那国島で見つかった記録がある。これからこの弱々しい蝶が同じ沖縄に向かうのかと思うと感動すら覚える。





 飛んで沖縄。数日間30℃を超える晴天日が続き、弱い通り雨はあるが、何よりも紫外線が痛く肌に刺すように強い。夜の最低気温は27℃以上、湿度60%を超える熱帯夜が続いている。
目の前の海岸は川にも近く、海水は暖かいと感じたことはなかったが、海に入るとかなり暖かく、3m潜っても水層の変化は感じられない。縦に伸びる岩礁にはサンゴが張り付いているが、2か月前に比べかなり白化が進んでいる。



コモンサンゴ、エダミドリイシ類だけでなく、ソフトコーラル類は減ってしまい、イソギンチャクの住処のないクマノミがサンゴの間をさまよう姿は寂しい。



アクアリウムビジネスでは近年ポリープが揺らぐソフトコーラルの人気が高まり、amazonでも簡単に買えるほど一般的になり、盗掘されたのかもしれない。外国人観光客が増え、折られるようになったと嘆くご婦人がいたが、彼らにはこの浜のいきさつを教えると理解してくれる。




 沖縄近海の水温は、30℃以上の日が続いている。沖縄以南の太平洋上の水温の高い海水域が広範囲に及んでおり、8月の雨量も例年の30%以下で、台風は沖縄を避けるように15号までは上陸していない。このままでは海の資源だけでなく、農産物の生産にも影響が出てしまう。


  気象庁:日本近海の海水温8月31日

雨が多く涼しい東、北日本、晴れが多く暑い西、南日本。この2極構造は際立っているが、どちらも都市と山間部の間に不安定な大気の流れが起き集中豪雨の被害をもたらしている。
気候変動が常態化すると、以前は降雨量50mm以上なんて、一部の設計者や管理者しか知らない知識も、一般的にニュースで流れる時代になった。
アサギマダラがやってくる秋には、台風は上陸しているだろうか。

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