アカバナの誤解
沖縄に戻って変わったことといえば、赤い街路樹が咲いていたことだ。
地元の人に聞くと
デイゴだと言う。
“デイゴの花が咲き 風を呼び嵐が来た”
宮沢和史の
島唄の歌詞はデイゴの花が咲いた初夏に、米軍の侵攻が
あったことを歌った反戦歌とも言われている。
デイゴは多分4月頃咲いたはずだ。
丁度この頃は東北に行って沖縄のディゴの花は見ていない。
これは、デイゴとは違うと感じつつ、家に帰り調べる。
ホウオウボクであった。
またの名をフレームツリー(火炎樹)、
サイパンでは
ナンヨウザクラと呼んでいる。
このナンヨウザクラにも多くの誤解がある。
南洋戦線の兵士たちは、日本の桜を懐かしみ、地元の赤花を
南洋桜と呼んだ。
沖縄に近いパラオで地元の人がナンヨウザクラと呼んでいたのは
デイゴだった。
本当のナンヨウザクラは、別にあり、実以外は桜のイメージと全く違う。
内地の人には、沖縄の桜を南洋桜と勘違いしている人もいる。
1月に開花する名護の桜はソメイヨシノと違う
ヒカンザクラである。
南の島には赤い花が良く似合う。
沖縄でアカバナと言えば
ハイビスカスのことである。
以前は沖縄のイメージは赤いハイビスカスだった。
国内でのイメージは圧倒的だったが、1年中、太平洋中の島々で咲いている。
ハワイの州花でもある。
やはり、沖縄固有のイメージはデイゴである。
堂々とした咲きっぷりと目立つ色、他に対抗できる花はない。
すでに公園名、通り名などにもあり、まちを構成する
キーの一つにもなっている。
東北の公園を計画設計していると、夏の明るさが欲しくなる。
適応できる夏の赤花はネムの木と、サルスベリ程度で、
南国を表現する材料は白砂と、色ガラス、サンゴ、赤瓦である。
赤花の樹種は、季節ごとの色彩配置や、ランドマーク的な
使い方にも活用できる。
最近、デイゴはデイゴヒメコバチにより立ち枯れの被害がある。
北海道の知人は、竹富島のデイゴを救う活動をしている。
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