放射能の拡散

Katzu

2011年08月05日 10:56

 一昨日、総合運動公園で練習したあと、ベンチに横になり空をながめて
いると、とてつもなく、ここが放射能もない安心できる空間だと感じた。
その時、突然“放射能汚染についてお話いいですか”と話しかけられた。
沖縄県への汚染された稲わらの流通規制を求める署名であった。
日本で唯一、節電規制も放射能汚染も関係なかった沖縄の人々の気持ちにも、
放射能のテラーとしての意識が拡散していることにショックをうけた。
現実的に、流通した製品の回収には大変なリスクと不安が広がる。



 国内の放射能汚染は海水汚染、土壌汚染、作物汚染、家畜汚染
止めどもなく広がりを見せている。
当初は水道水汚染が取りざたされ、一部の浄水器メーカーが放射能を除去
すると嘘の宣伝をし、大量の販売とデマを呼び込んだ。
確かにヨウ素は半減期が短く、河川水と共に海に流れただろう。
湖水の放射性物質も確認されず、いつのまにか話題にも上らなくなった。

 しかし今問題となっているのは、半減期が30年と長いセシウム137であり、
湖水の土壌が汚染されている可能性もあり、これが一番怖い。
直接的な食品だけでなく、都市生活の基本である飲料水が失われる危険がある。
この問題を指摘するまでもなく、次々と汚染対策が遅れていく。

 郡山市の水源は、猪苗代湖と三春ダムでほとんどを補っている。
福島市は、摺上川ダムに頼っている。
これらの閉塞された湖沼では、流れ込んだ化学物質が水質汚染、
水底泥の汚染から関連生物の異常を生む。
これは環境問題のバイブルと言われるレイチェルカーソンの「沈黙の春
のシナリオである。
この化学物質がセシウムである場合、30年の半減期だけでなく、
流入し続けることにより、汚染は進んで行く。

 大震災後、科学技術者の提案、指摘が表面にでにくくなった。
予測や科学技術が、震災にことごとく対応できなかったためだろうか。
今、10年後、30年後、50年後を見据えた都市のロードマップを
計画すべき時であろう。





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