与勝のエイサー

Katzu

2011年08月16日 12:30

 

 エイサーはお盆にピークを迎える。
しかし、この時期だけは、沖縄に来たことがなかった。
現在のエイサーはゴザを中心として、大太鼓のリズムと勇壮で派手な
衣装、振付が特徴である。
全島エイサー大会では30近い青年会が競い合う。
ビデオで何度も見ていた。
与勝のエイサーは良いよ、と言われたが見る機会もなく、
半ば憧れに近いものになった。
ナイチャーが、自然な形で道ジュネーに遭遇する確立は低い。
あらかじめ、予定が公表される地区もあるが、この辺は神出鬼没な、
ストリートライブみたいなものだ。



 旧盆ウークイの日に、近くで道ジュネーがあった。
夜まで大太鼓で練習していた迫力も良かったが、こちらはまちの伝統、
祭りというものを表現した、凛々しいエイサーがあった。
バーランク―だけのリズムの、一糸乱れぬエイサーは新鮮で、
胸の内から感動するものがあった。
何組かに分かれ、呼ばれた商店や旧家をまわる。
その周りには観客が絶えない。

 屋慶名エイサーはなんで全島エイサー大会に出ないのだろう、
という疑問は解けた。
街角で愛されるエイサーを続けてほしいし、むしろ見せたくない
という気までしてくる。




 昨日、与勝半島の一番先の平敷屋エイサーを見る。
こちらはさらに、古い伝統を感じさせるエイサーで、
衣装も白と黒のシックなものだ。
このエイサーも玄人好みの人気がある。
テレビカメラも入り、住民以上の観客が集まった。



地謡は一度やりたいと憧れる。
「やりたいって言ったら、多分やらしてくれるさぁ。」
と答えが返ってくる。
そんな軽いものではないと思うが、いつの間にか
エイサー追っかけになってしまった。

 国内でこれだけ芸能が地域と密着した地域も少ない。
伝統を守るとか、観光のためという理由以前の、
自然な形の地域のコミュニティが保たれていると感じる。

日本の音風景百選にも選ばれている。

 海風と牛羊の匂い、エイサーの掛け声がチャンプルーされたこの情景は、
最も沖縄らしい記憶として、心のひだに残り続けるだろう。

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