パラオの都市環境
パラオは車社会である。
その中心都市コロールは人口12,000人に対し車所有7,000台、
国道は1日に20,000台の車が通行する。
公共交通機関はなく、路肩が狭く自転車も少ない。
歩道は1mと狭いに係わらず、1車線中央に右折レーンが全線にわたっている。
車利用率が80%以上、平均トリップ長もせいぜい2km程度であろう。
向いの銀行に、車で行く人もいる。
渋滞は1日4回断続的に発生する。
出勤、昼休み、児童送迎、帰宅目的である。
1年経って大きく変わったのは、経済状況の変化である。
ガソリンが約1.5倍高くなり経済も減速する中、交通状況も少し変ったと
推測していたが、あまり変わっていないようだ。
観光客の視点でまちを歩き回る。
渋滞はあり、この日は夜になってもノロノロ運転が続いていた。
水はけが悪く、舗装整備されていない街路が多い。
台湾の援助で、市内の道路維持工事が行われ始めた。
バスケットボール大会に駐車している車30台のうち、3台が登録切れだった。
3年前、ロックアイランドの一部を掘削し、強引に開発許可を取り物議を呼んだ
ホテルの建設が、まだ終わっていない。
相変わらず犬は自由に散歩し、追いかけてくる。
歩道が、ビンロウで赤く汚れている。
道路を横切る電線に靴がぶら下がっている。
でも、1年前とぶら下がっている位置と種類が違う。
これは笑える。洗濯干ししているのだろうか。
生活習慣は簡単に変らない。
生活を向上させる、あるいは環境を守る目的で、
お金をかけて道路を造ったり、
MRTを走らせることはできるが、
自分の手でそれを改善する姿勢を持たなければ、
トータルとして改善しない。
街づくりのポイントは安全、安心、健康、美化を目標にすることが
大切だと伝えてきたつもりだが、それは日本でもパラオでも同じである。
いずれも地道な努力があって実現する。
コーズウェイを歩き、1年前よりきれになったと感じるが、
いつもゴミ拾いをしている、ある日本人がいることを、
パラオの人はどう感じているのだろうか。
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