大阪市の動物園駅周辺は、通天閣やじゅんじゃん横町などがあり、
なにわ下町文化の色濃い界隈でもある。
一方、あいりん地区にも近く、治安の悪いことで有名である。
駅近くのホテルに泊まったが、夜間の罵声、バイク、パトカーと
救急車のサイレンで3回目がさめた。
基地騒音のある宜野湾市以上に悪い、夜の相隣環境である。
次の日の昼前に、なんば周辺でかるい昼食をとるつもりだったが、
昼をすぎ約束の時間がせまっていたので、梅田に直接向かった。
丁度、地下鉄が心斎橋駅を過ぎた頃、通り魔事件が起きていた。
小さなコミュニティの島と違い、都会では大きなブラックボックスから
何が飛び出てくるかわからない不安がある。
夕方、仕事を始めた頃の先輩と、京都近くで会った。
彼は私鉄沿線のコミュニティを大切に、生活圏レベルの街づくりを行っている。
仕事以外の生活を構成する人の集団は、都会生活には欠かせない。
コンサル仲間や先輩の中で、近年3人が亡くなっていた。
この業界は、仕事がないと全くなくなり、バブルになって儲かる仕事が増えると、
個人負担が増え、心身ともに健康を害するという不健康な労働環境である。
先輩は北新地のジャズバーに誘ってくれた。
バブル期と余り変わらない雰囲気とその世界に、今となっては異質なものを感じた。
10時過ぎに元の会社の同僚から、今仕事が終わったばかりで行けないと
電話があり、次回に労をねぎらう約束をした。
0時近く、ホテルからチェックインしないと施錠すると連絡があり、
急いで先輩と店を出た。領収書には、いつもと桁が一つ違う上に
さらに5をかけた領収書の数字が見えた。
これだから未だに頭が上がらない。
関西では、普段は紙1枚を気遣う、質素で倹約した生活を送っていても、
使う時は大盤振る舞い、というタイプの人が多い。
関東では先行投資型、アクティブ運営で元を取っていくタイプが多い。
このような団塊世代の先輩方と付き合ううちに、
どれだけ多くの人生勉強をさせてもらったことだろう。
久し振りに、都会で会う人達の変わらぬたくましさに、感謝と喜びを感じた。
そして、闇を駆け抜け、一つの都会の灯りに辿り着いた。