庭の維持管理

Katzu

2012年08月17日 22:42

 管理の行き届かない庭・公園は、自然味あふれる
ワイルドパークより、荒廃してしまう。
それは、一度人間の手が入ると、
自然淘汰されたバランスが崩れるからである。



 久し振り我が家の庭を見ると、地球温暖化対策、
ヒートアイランド対策、クールビズといった範囲を越えてしまった。
イングリッシュガーデンとはこんなものだ、と説明しても、
軒丈50cm以上になり、隣りに迷惑をかけてしまっていた。
もともと家人が庭いじりが嫌いなこともあるが、
仕事では、管理の手間のかからない公園設計を求められていたので、
自分の庭を防草の実験場にしていた。

 管理を怠っている人間に限って、計画し造る側の考えとシステムを
理解しようとせず、結果だけを求める。
そもそも管理できないものは、それを手放すべきだろうか。

 高齢化社会を迎え、庭の管理は大きな生活課題である。
第一段階、趣味と安心、実益を兼ね、家族のスペースとしての庭を持つ。
第二段階、子供が独立、定年を迎え、雑草取りの家事と庭いじりの趣味を兼ねる。
第三段階、一人で管理できない状況になり、子か他人にゆずるか手放すか。
特に海外生活者にとっては、常に第3段階となる。

雑草対策とその実験結果。

効果ある雑草対策は
1、コンクリートやブロックで舗装する
2、マサ土で覆う
3、防草ネットなどの2次製品を使う

しかし、これらは高価で、人工的で、腐敗し始めると管理すらできず、
公園や庭の自然な雰囲気を壊してしまう。

そして、庭で試したのが
1、ハーブ等の地被類を植える。
2、砂利を敷き詰める。
3、防草チップ材で地面を覆う。
4、サンゴ石、砂で防草する。

当初、最も効果を上げたのは1であった。
タイムなどの地被類を植えると、瞬く間に庭に広がり、
甘い香りが漂い、雑草は駆逐された。
しかし、それを知らず除草剤をまいたおかげで、
それは枯れ雑草が残る皮肉な結果となった。



2の砂利も同様で、湿気のある裏庭には、こけや湿地系のミツバなどが
生えていたが、砂利で乾燥し雑草は生えなかった。
1年後、砂利の隙間からタンポポ、アザミなどの種子が侵入し、
雑草取りも、面倒な結果となった。



意外に効果的なのは防草チップで、5年経っても木の皮は残り、陽を遮り、
雑草は生えづらい環境を作っていた。




サンゴ砂・石は、沖縄に行くついでに、少しづつ増やしていったのだが、
表面のつたやツユクサを払うと、元の白い石がでてきた。
塩分とミネラルが生える雑草を限定したようであった。



 このように、雑草と人の植えた植物の生育を比べると、
明らかに雑草の方に軍配が上がる。
スギナだけを枯らす防草剤などもあるが、
人の手の入った植物は人工的な薬剤にも弱い。
無理に環境を変えるのではなく、自然に合わせた雑草対策が、
長い目で見ると、効果的かつその環境を生かす結果となる。

 これからは、土地を離れ移住したり、一人で管理できなくなったり、
駐車場にしたりと、シルバー時代の土地の維持管理が難しくなる。

そして最終的には、土地に縛られ墓を守るという
日本人の性に委ねられてしまう。


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