2011年07月23日

時のフレームデザイン

 前回に続きフレーム空間の使い方について。
さんごの生育調査をする時、囲いを設け観察する。
枠を設けることで、自然の変化を捉えること事ができる。

時のフレームデザイン

 ここに建物の中から外を見た窓がある。
外はアオモリトドマツの林、雪は残っているが
この数カ月で雪が解け、春山の雰囲気である。

この数か月前はどうだったか。


時のフレームデザイン

樹氷が見事で、絵ハガキのような光景である。
ここは標高1600m付近、蔵王山頂駅のカフェ横の窓である。
冬の期間、スキーをせずにわざわざこの光景を観に、
このカフェにくる人もいる。

樹氷の生育状況を観察するにも便利であるが、
時の変化を同じフレームを通して見ることができる。
動画がいつも見れる時代にあって、なぜ写真が存在し続けるか。
それは人間の頭脳が1場面を印象し続けるからである。


時のフレームデザイン

 これは店舗デザインに良く活用される。
恩納村のビストロ“皿の上の自然”のフレームデザインである。
オーナーの那須氏によれば、この風景から1日の移ろいを感じ、
この場所を選んだという。
沖縄には空間を意識した、こだわりの飲食店が多く、そのレベルは高い。


時のフレームデザイン

山形庄内のラーメン“尾浦”の例である。
白鳥が来ることもある雪の田園風景。晴れた日は鳥海山が見え、
春の水面、夏の緑、秋の黄色と田園の変化が見渡せる。

 公園、街路設計でも同様で、公共建築物だけでなく、
ゲートや東屋などから、一日と四季の変化を切り取ることができる。
その為には季節ごとのパーツ、例えば植栽や水辺、ライト
等を選別し計画に反映させていくことが大切である。

時のフレームデザイン



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