2011年10月24日
山羊の数奇な運命---山羊サミットより

最近は山羊に関わることが多く、明け方、夢にまで出てきて、
山羊の鳴き声を聞きながら目が覚める。
山羊のイメージはあまり良くなかった。
息子の通う保育園の山羊小屋の掃除が嫌だったこと、
教会の悪魔の絵が山羊だったこと、自然放牧により生態系を破壊するため、
世界の侵略的外来種ワースト100に認定されていることなどが理由であった。
山羊や羊は豚牛よりも歴史が古く、古代文明の衰退は、森林伐採と羊と
山羊の放牧による、自然破壊が原因だったと言われている。
羊は狼に食べられる可哀想な存在、山羊は何でも食いつくす邪悪な存在として
宗教的な解釈がされたのだろう。
尖閣諸島の魚釣島は、与那国島からのたった1対の山羊放牧により、
30年後、今では200頭の山羊に占領されている。
先月パラオに行った時、こんな記事がローカル紙に載っていた。
資源・環境・観光省のフリッツ大臣が、山羊120頭、椰子10,000本を輸入し、
各州に分配するという。
畜産体制の整わない小さなパラオで、各州がかってに放牧したらどうなるか。
野生の鶏が繁殖するパラオでは瞬く間に増え、島は赤土化してしまうだろう。

第13回全国山羊サミットが那覇で開かれた。
会場のてぃるるに行くと山羊はいないのに、なぜか山羊の匂いが漂っていた。
サミットの内容は、山羊文化の残る、日本一生産の多い沖縄での畜産体制、
商業化、病虫害、山羊の性質、成分についてであった。
この会議は、先月パラオ仲間のマホさんから、メールをもらって思い出した。
彼女は豚から山羊へ、育てる対象が変わっていた。
テーマは耕作放棄地などでの山羊放牧事例で、山羊の性質を逆手に
取ったようなアイディアで、緑地保全に役立てそうだ。
一緒に活動した仲間が、こうして活躍する姿を見るのは、何よりも嬉しい。

市街化区域内の畜産は、衛生・匂い・騒音問題などで郊外に追いやられたが、
動物セラピー効果、手付かず庭の管理など、レンタルでの利用などに
ビジネス可能かもしれない。

次の日は沖縄山羊フェスティバルが奥武山公園で行われた。
山羊の品評会や山羊汁、山羊ミルクの販売なども行われた。
会場では県の産業祭りが行われていた。
こちらでも、かなりの屋台で山羊汁も一緒に販売されていたことに、
驚いてしまった。

じいさんに似た山羊を見て、山羊ミルクを飲んでいると、
母乳に最も近い成分で、戦後の食糧難の時代を
支えていたと言う昨日の話を思い出した。
山羊が人間臭いということが、家畜として
人を遠ざけてきた理由なのかもしれない。
Posted by Katzu at 13:50│Comments(0)
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