2012年01月05日

雪国の地理環境

雪国の地理環境
朝起きると、室温は2℃。
三陸の被災地に行く予定だった。
特に約束してなかったので、ゆっくり出掛ける。
遠野から釜石か、大船渡の予定であった。
ゆっくり出発したのは理由がある。

山形県側が雪の時は、宮城県側は晴れている。
冬の太平洋側は、いつも晴れて暖かく、羨望の的だった。
この日は寒いが仙台平野は晴れ。


しかし、北上川沿いに北上すると、天気は一変、
地吹雪状態となり、気温もー3℃になっていた。
これから北上山地を越え、三陸海岸に行くのはストレスを伴い、
泊まるところさえないので、遠野市の手前で引き返す。

雪国の地理環境

 春に何度も往復して通い慣れた道なのに、
同じ東北に住みながら、冬の北上山地を知らなかった。
宮沢賢治の童話や遠野物語のイメージ程度しかなく、
仕事や行楽で真冬の三陸に来る機会はなかった。
同じ雪国環境でも、かつて北上山地が東北のチベット
と言われた意味がようやく理解できた。
この近くて遠い地理環境が、東北雪国の
自然環境・人々の生活環境をつくった。

雪国の地理環境

 冬の雪国は、交通機関がなければ、隣りの集落に行くことさえ厳しい。
昔はかんじきを履いて、隣村に歩いていくことさえ特別の行為であった。
冬の間はひたすら、家の狭いスペースを暖め、活動は制限された。
陸の孤島は集落ごとの慣習・文化を育んだ。
東北地方にも表日本、裏日本は存在するが、地方を結ぶ街道の峠は、
地理的な国境以上に、あの世とこの世の結界でもあった。

雪国の地理環境

 翌日、仙台松島道路の終点から南三陸町に入り、
夕方、釜石経由で遠野市に入る。
仙台平野は今日も晴れ、気温は5℃、南三陸地方は雪が少ない。

雪国の地理環境

夕方、岩手県の釜石を過ぎ北上山地に入ると、-2℃。
結局、昨日と同じ場所で、また同じ氷雪の世界となった。
冬の東北地方は、平野と山地、表と裏、黒と白、暖と寒、動と静が、
交互に織りなす地理環境なのである。




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Posted by Katzu at 01:52│Comments(0)街の環境
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