2012年05月05日
原子力政策の行方
原発の再稼働に関する各種アンケート調査が行われている。
世論を二分するほどの結果であるが、
いづれも反対派が賛成派を上回っている。

アンケートまとめ詳細
しかし、原発推進の地方自治体、原子力推進の学者研究者組織、原子力関連産業、
その他政府の原子力電力政策の中で築いてきたコミューンの利権が、
再稼働を行う方向に向かわせている。
経済論者は、GDPの押しあげ、雇用の増大、国際競争力の拡大のために
原発再稼働は不可欠ととらえる。
一般の賛成者も、今まで通りの安全性でも稼働できるはずだ、
電力や燃料費の値上げは困るという意見である。
ここまでは予想通りの展開だ。
一人の技術者のはしくれとして、原子力発電は容認できない。
原子力技術者が原子炉Mark1の安全性を、いくら理論で証明したとしても、
あの地震と津波に耐えうる防波堤も、
放射能の拡散を抑える複雑な原子炉格納容器も、その基礎も、
ましてや核廃棄物貯蔵のため、
10億年間持ちこたえられる構造物など想定できない。

Mark1は鋼製プレートと鉄筋コンクリートで格納されているが、
人間の手でコントロールできないものを、代替えもできず
長期間抑えておく構造物など、今の土木技術で設計できるわけがない。
コンクリートの劣化は50年経てば目視できるが、40年経過したMark1の
格納容器でさえ、劣化が進んでいたと見るのが妥当である。
今回の原発事故に関して、専門家の意見は原子力工学の学者ばかりであるが、
原子炉本体を取り巻く施設を設計・建設した者と、土木・建築の専門家達は
なぜ口を閉ざしたのだろうか。
それは原子力工学と同じで、その基準を作り、容認してきたのも彼らだからである。
今ならNOと言えるが、当時、放射能の知識があれば、
技術者倫理として設計すべきでなかったと思う。
原子炉は一過性の再稼働はあっても、
すべて廃炉に向かう方針を確認することの方が大切であろう。
その間に、原子炉の安全運転、除染、廃炉技術、核貯蔵技術、放射線医学を
世界水準に高め、原子力産業の生き残りと雇用を創出していけばいい。
計画されている中国の80の原子力発電所は、いづれか事故を起こし、
その影響は日本まで及ぶであろう。
その時必要なのがその技術だからである。
日本はアメリカにガソリン輸出を止められ集団自滅戦争へ向かい、
戦後アメリカに安全を預け、経済のみで国を治めてきた国である。
そして、また同じ性と過ちを繰り返そうとしている。
原子力賛成の人には、福島第一原発周辺のまちの
環境の変化を、一度見てもらいたいと願う。

世論を二分するほどの結果であるが、
いづれも反対派が賛成派を上回っている。

アンケートまとめ詳細
しかし、原発推進の地方自治体、原子力推進の学者研究者組織、原子力関連産業、
その他政府の原子力電力政策の中で築いてきたコミューンの利権が、
再稼働を行う方向に向かわせている。
経済論者は、GDPの押しあげ、雇用の増大、国際競争力の拡大のために
原発再稼働は不可欠ととらえる。
一般の賛成者も、今まで通りの安全性でも稼働できるはずだ、
電力や燃料費の値上げは困るという意見である。
ここまでは予想通りの展開だ。
一人の技術者のはしくれとして、原子力発電は容認できない。
原子力技術者が原子炉Mark1の安全性を、いくら理論で証明したとしても、
あの地震と津波に耐えうる防波堤も、
放射能の拡散を抑える複雑な原子炉格納容器も、その基礎も、
ましてや核廃棄物貯蔵のため、
10億年間持ちこたえられる構造物など想定できない。

Mark1は鋼製プレートと鉄筋コンクリートで格納されているが、
人間の手でコントロールできないものを、代替えもできず
長期間抑えておく構造物など、今の土木技術で設計できるわけがない。
コンクリートの劣化は50年経てば目視できるが、40年経過したMark1の
格納容器でさえ、劣化が進んでいたと見るのが妥当である。
今回の原発事故に関して、専門家の意見は原子力工学の学者ばかりであるが、
原子炉本体を取り巻く施設を設計・建設した者と、土木・建築の専門家達は
なぜ口を閉ざしたのだろうか。
それは原子力工学と同じで、その基準を作り、容認してきたのも彼らだからである。
今ならNOと言えるが、当時、放射能の知識があれば、
技術者倫理として設計すべきでなかったと思う。
原子炉は一過性の再稼働はあっても、
すべて廃炉に向かう方針を確認することの方が大切であろう。
その間に、原子炉の安全運転、除染、廃炉技術、核貯蔵技術、放射線医学を
世界水準に高め、原子力産業の生き残りと雇用を創出していけばいい。
計画されている中国の80の原子力発電所は、いづれか事故を起こし、
その影響は日本まで及ぶであろう。
その時必要なのがその技術だからである。
日本はアメリカにガソリン輸出を止められ集団自滅戦争へ向かい、
戦後アメリカに安全を預け、経済のみで国を治めてきた国である。
そして、また同じ性と過ちを繰り返そうとしている。
原子力賛成の人には、福島第一原発周辺のまちの
環境の変化を、一度見てもらいたいと願う。

Posted by Katzu at 03:17│Comments(0)
│原発
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