2012年06月15日
路面電車とLRT
6月10日は路面電車の日だった。
私鉄の多い関西にあって、路面電車は京都の京福電鉄と
大坂の阪堺電車しか残っていない。
交通量の多いこの路線にあって、車の邪魔者にされながら
良く生き残ったと思う。

開通100周年の阪堺電鉄に乗るため、天王寺駅に行った。
全国から鉄道マニアが集まっていた。
私の大学時代の仲間は鉄道マニアが多い。
趣味が興じて電鉄会社に就職した者もいる。
鉄道マニアは熱心で長く続け、熱狂を通り越して偏愛的マニアが多い。
この電車は下町風情の残る古いタイプのチンチン電車である。
乗客は、老人・子供・妊婦など交通弱者が目立つ。

低床式ではないが、公共性の高い安全な交通機関として、
地域の人に親しまれているのがよくわかる。
市街地の中心を天王寺から堺市まで結ぶ生活路線であるが、
住吉大社、浜寺公園、通天閣を結ぶ観光電車として開発された一面もある。
路面電車の走行速度は40㎞/h、表定速度は15㎞/h程度であるが、
その特徴である、どこでも走る通行形態の多様性も伺える。
1、 車道の専用通行

2、 車道の併用通行

3、 鉄軌道の専用通行

さらに、路面電車同士の交差点形態まである。

路面電車はニューヨークで誕生した。
その後ヨーロッパ各国で運用が広がり、日本には明治末期に伝わった。
この路線は明治45年に開業し、100年の歴史を走り続けた。
英語でStreetCar、ヨーロッパではTramと呼ばれる。
あくまでも道路を走る、車両の分類であり、通行形態は様々である。
近年、これに類するLRT(Light Rail Transit)が
次世代公共交通機関として、欧米を中心に導入されている。
日本では富山のLRTが導入されているが、路面電車との違いを、
新デザイン、低床式の車両をLRTと誤解する向きもある。
LRTとは、交通のプライオリティを持つ、都市型中量輸送機関システムのことで、
表定速度は20㎞/h程度を確保している。

日本では、バブル期に新交通システムが発達したが、
用地取得の困難さを高架式にした、付加価値の高い、
モノレールや自走型タイヤレールの交通機関が主体であった。
ヨーロッパのLRTは、都心の車の渋滞をトランジットモールなどでシステム的に
解消し、郊外部には専用レーンで高速で移動できる交通計画のインセンティブを、
公共交通機関に持たせる思想から計画されたものだ。

フランス:ストラスブール
国交省の提案する次世代型路面電車システムという呼び方は、
日本型路面電車の発展形としてのLRTを、無理矢理結びつけた感がある。
今さら、車主導の交通施策を転換できないから、
システムとしての交通機関を海外に提供できない。
電車技術は世界レベルなのに、コンセプト・基準づくりがあいまいなので
産業として成熟しない。

そんなLRT論争とはお構いなしに、路面電車は市民の足となり、
今日も孤軍奮闘している。
私鉄の多い関西にあって、路面電車は京都の京福電鉄と
大坂の阪堺電車しか残っていない。
交通量の多いこの路線にあって、車の邪魔者にされながら
良く生き残ったと思う。

開通100周年の阪堺電鉄に乗るため、天王寺駅に行った。
全国から鉄道マニアが集まっていた。
私の大学時代の仲間は鉄道マニアが多い。
趣味が興じて電鉄会社に就職した者もいる。
鉄道マニアは熱心で長く続け、熱狂を通り越して偏愛的マニアが多い。
この電車は下町風情の残る古いタイプのチンチン電車である。
乗客は、老人・子供・妊婦など交通弱者が目立つ。

低床式ではないが、公共性の高い安全な交通機関として、
地域の人に親しまれているのがよくわかる。
市街地の中心を天王寺から堺市まで結ぶ生活路線であるが、
住吉大社、浜寺公園、通天閣を結ぶ観光電車として開発された一面もある。
路面電車の走行速度は40㎞/h、表定速度は15㎞/h程度であるが、
その特徴である、どこでも走る通行形態の多様性も伺える。
1、 車道の専用通行

2、 車道の併用通行

3、 鉄軌道の専用通行

さらに、路面電車同士の交差点形態まである。

路面電車はニューヨークで誕生した。
その後ヨーロッパ各国で運用が広がり、日本には明治末期に伝わった。
この路線は明治45年に開業し、100年の歴史を走り続けた。
英語でStreetCar、ヨーロッパではTramと呼ばれる。
あくまでも道路を走る、車両の分類であり、通行形態は様々である。
近年、これに類するLRT(Light Rail Transit)が
次世代公共交通機関として、欧米を中心に導入されている。
日本では富山のLRTが導入されているが、路面電車との違いを、
新デザイン、低床式の車両をLRTと誤解する向きもある。
LRTとは、交通のプライオリティを持つ、都市型中量輸送機関システムのことで、
表定速度は20㎞/h程度を確保している。

日本では、バブル期に新交通システムが発達したが、
用地取得の困難さを高架式にした、付加価値の高い、
モノレールや自走型タイヤレールの交通機関が主体であった。
ヨーロッパのLRTは、都心の車の渋滞をトランジットモールなどでシステム的に
解消し、郊外部には専用レーンで高速で移動できる交通計画のインセンティブを、
公共交通機関に持たせる思想から計画されたものだ。

フランス:ストラスブール
国交省の提案する次世代型路面電車システムという呼び方は、
日本型路面電車の発展形としてのLRTを、無理矢理結びつけた感がある。
今さら、車主導の交通施策を転換できないから、
システムとしての交通機関を海外に提供できない。
電車技術は世界レベルなのに、コンセプト・基準づくりがあいまいなので
産業として成熟しない。

そんなLRT論争とはお構いなしに、路面電車は市民の足となり、
今日も孤軍奮闘している。
Posted by Katzu at 00:30│Comments(0)
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