2013年01月05日
暖かい雪と氷結する雪

年末に帰った郷里は、例年より雪は少なく、雨が降った。
この時期、雪のない正月は何度かあったが、雨の降った記憶はない。
最近の雪は、いわゆるドカ雪と呼ばれる湿気の多い重い雪が多く、
踏み込めるとキュッと音のする粉雪は、
高山に行かない限り、街中ではあまり体験できなくなった。
絞ると水のでる雪はあっても、雪玉を握れないほどの
乾いて冷たい雪は少なくなった。

降雪の条件をまとめると、
1、-30℃以下のシベリア寒気団が南下する。
2、湿気を含んだ空気が上昇、昇華し氷晶核があると凝結する。
3、高度1500m付近で-5℃以下、地上付近では気温4℃以下、
湿度60%以下の気象条件が整う。
雪の降るメカニズムは、このような条件がそろい、初めて雪が降る。

新潟地方気象台資料
正月の山形の最高気温は3℃、最低気温は-3℃で
降雪気温に達しているが、地上の湿度が高く、雨が降る条件になっていた。
乾燥注意報が出やすい時期に関わらず、年末は最小湿度50%以上、
実効湿度は80%と高かった。

山形地方気象台
近年、このような積雪の条件も変わりつつある。
雪の生成には、氷晶の核となる微粒子が必要であるが、
中国からの黄砂などにより、氷結する温度と落下速度が変わった。
また、海流の変化、都市化などにより地表温度が上がる一方で、
地表面付近の湿度も変化する傾向にある。
その原因として、地球温暖化と暖流の北上が影響している。
雪自体も暖かくなったと感じる。
水は0℃で結氷するが、雪自体の温度は大気温に近似していく。
雪が暖かくなったと感じるのは、雪の湿度が高いことに加え、
平均気温が高くなったせいかもしれない。
一方、偏西風の蛇行により、全国的に風が強まる傾向が強い。
先週の沖縄では、最低気温15℃で、北東の風が吹いて、
ダウンが必要なほど寒く感じた。
北国では、星が瞬く寒い夜というイメージがあるが、最近は、
風の強い吹雪が多く、体感温度が低く感じる傾向にある。
昨日からシベリア寒気団の南下により、冬型の気圧配置となり
夕方から風雪が強まった。
積雪深も市内で10㎝となり、最低気温は-6℃まで下がり、
終日氷点下となり、消えかけた雪は氷結した。

静かな夜に粉雪(パウダースノー)が降り注ぐ気象条件は、
近年は生まれにくい状況にある。
総体的に、1年を通じて平均気温・湿度は高くなりつつも、
低温・風雪を伴う寒気団は繰り返し襲来し、大雪も増える傾向にある。
各地域の降雪の特徴も変化し、大雪の積雪深、出現回数は、
上越地方では減り、その東側では増加傾向にある。

寒地土木研究所資料
Posted by Katzu at 01:26│Comments(0)
│街の環境
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