2013年01月23日
エコライフ・シンプルライフ・ナチュラルライフ

地球全体の石油の採掘可能年数が、残り40年と言われるが、
桜の開花後、ガソリン価格もじりじりと値上がりしている現在、
一般の人々は何を期待し、どう対応するのだろう。
○ 新エネルギー開発を期待し、新産業に投資・参加する。
○ 高収入と付加価値の高い生活を求める。
○ デフレ脱却の資金供給政策を期待し、消費支出へと向かう。
しかし、デフレ脱却のカギと言われた団塊世代の支出は、消費に回らなかった。
バブルのはかなさを知り、大震災を経験した賢明な一般の家庭は、
物価が上がれば、まず節約し消費の無駄を省く努力をするだろう。
エコライフとは、単に節約することでなく、無駄を出さず、
環境に影響を与えることなく、生きるための生活環境を維持することにある。
スマート家電を整えるだけでなく、生活すべてに目を通し
コントロールするというシビアな側面を持つ。
その実践の基本は、第一に家計簿をつけることから始まる。
すると、無駄や余裕や将来の展望も開かれる。
エンゲル係数は、保険税金を除いた消費支出に対する飲食費の割合で、
一般的に生活水準が低いほど、係数値は高いと言われる。
総務省の家計調査によれば、日本は23%で先進国中位の値だが、
開発途上国は50%以上という場合もある。
グルメ国のトルコ、スペインなどは日本より高いのは理解できるが、
外食費率の高い香港、シンガポールはなぜか日本より低い。
一概には言えないが、日本ではエンゲル係数20%が一応の目安になる。

支出内訳についても、家計調査の平均値との比較で、
自分の消費性向が理解できる。
例えば、ある世帯の支出をグラフ化し特徴をまとめると、
持ち家以外に借家を持ち住居費負担が高く、
交通移動量が多いながら車を持たず、
健康に気を配り、健診、医療費に金がかかり、
光熱費は2世帯分ながら沖縄生活で低減され、
食費は地物中心で外食が減った分、まだ余裕があるという結果になり、
収入が減っても消費を減らす次の目標が定かになる。
エコライフとは、CO2を削減させつつ、生活をコントロールすることである。
本来のエコ減税の施策は、各世帯のCO2削減量を基準に課税すべきである。
仕事のプロセス、金の流れ、人間関係が複雑化してくると、
物事を単純化したいと思い始める。
健康を害し、ストレスがたまり問題を抱えると、
次に起こすのは、無駄な行動の排除か逃避である。
そして、無駄な行動を省いて行くと、
食べ、動き、寝る、という究極のシンプルライフになる。
よほど世俗離れし、健康で幸福でないと辿り着けない。

自然なものを作り食べる、というナチュラルライフも同じ方向かもしれない。
海外でナチュラリストと自己紹介し、失笑を買ったことがある。
一部の国では、違う意味でとらえられることもある。
日本では、自然愛好家、自然保護に関心のある人々のことである。
自然志向のライフスタイルは、都会と田舎を結ぶ、
週末ナチュラリストという言葉を生んだ。
ナチュラリストとは、自然保護団体、ツアーガイド、山小屋管理人など
職業、活動のために使われる造語でもある。
ナチュラルライフとは、自然の中で、自然の素材を生活資材、
食料にしながら健康に生きることである。
最近ではオーガニック野菜や健康食品販売、森林住宅開発などにも使用され
造語化され、イメージ化されてきた。
『人と自然にやさしい』という、理論なき紋切り型の表現に日本人は弱い。
現代のナチュラルライフを踏襲しているのは、海人・山人の一部と野人だけだろう。

ヒッピー文化の自然崇拝から生れたナチュラルライフから、個人を中心にした
シンプルライフへ、さらに家庭と社会を結ぶエコライフへと、同じ系譜をたどりながら、
求めるライフスタイルは、経済と社会を巻き込み動いていく。
情報に踊らされない、自分のスタイルが正しいと信じる時代なのかもしれない。
Posted by Katzu at 17:55│Comments(0)
│エコ
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。