2013年06月05日

猫のいる公園

猫のいる公園

 沖縄の公園には猫が多い。
台湾・香港から東南アジアにかけての都市には野良猫が多く、大洋州に行くに従い野良犬が多くなる。
世界的には、地中海沿岸などを含めた亜熱帯地域が、猫に適した環境である。
猫と人との関係は、新石器時代にさかのぼると言われる。
数百万年前を起源とするイリオモテヤマネコは別にして、街に暮らす野良猫も昔から存在したのだろう。

猫のいる公園

 そんな猫たちも、都市と地方では扱いも習性も違うように感じる。
那覇の桜坂は猫の多いことで知られるが、近くの希望ケ丘公園は野良猫のたまり場であった。
街を見渡すには絶好の場所で、弁当を開けに行ったことがある。
しかし、古い公園の汚さとともに、猫の糞尿の匂いで食べる気にはならなかった。
それが、先日行った時には、猫の姿も匂いも感じなくなっていた。
保護活動が功を奏したのか、悪臭の苦情で駆除されたのだろうか。

猫のいる公園

 沖縄中部の県営総合公園のジョギングコースには野良猫が多く、その集団のいる
東屋近くを走ると匂いがしたが、子供と年寄が和む様子を見ると、悪い気はしなかった。
走る時だけ、カタツムリと猫の糞には注意が必要だった。
犬の散歩者も多いが、少しも犬に臆することなく生活していた。
犬と猫との力関係は、体の大きさにより決まるようだった。
この猫達には、定期的にエサを与える散歩者がいた。
この2年間で朝夕にジョギング・散歩する者が増えた。
久しぶりに走ると、いつのまにか猫の数は減っていた。
餌をやる人がいなくなり数が減ったのか、犬とランナーが増え驚いたためか。

猫のいる公園

 さらに北部の名護に行くとまた状況は違う。
21世紀の森公園は、広い砂浜と運動施設が整い、多くの市民に親しまれている公園である。
砂浜に猫のいる風景はあまり似合わないが、彼らはたくましく野良猫化している。
近づくと、テトラポットの下に逃げ込んでいった。
一方、人が近づきにくいテトラポットの上では、堂々と昼寝している。
彼等は釣り人の餌や魚を目当てに生きている。

猫のいる公園

海岸の御嶽近くにも集団がいる。この猫たちは幸せそうだ。
恐らく餌をやる人がいるのだろうが、親猫は人に媚びることなく、
雨が降ったり何かの危険を感じると、子猫と一緒に林に逃げ込む。

猫のいる公園

風と大量の砂のため、特に匂いも、鳴き声も気にならない。
周囲の人も同様で、野良猫の存在を認めている。
ここの猫は台湾や南中国ののんびりした猫達に似ている。
路上で安心して子猫が昼寝している姿を見ると、猫が住みやすい環境とは、
人間にとっても良く、安心・安全のまちづくりに通じるものがあると感じてしまう。

猫のいる公園

このように野良猫には、野生化した猫と餌付けされた猫の2種類がいることに気が付く。
飼猫は良くて、野良猫は悪いという基準は必ずしも当てはまらない。
飼猫は家の中で飼うべきという論法も当てはまらない。
祖先のヤマネコの習癖を持つ一方で、家畜でもある猫の生活は、人間の環境がすべて影響している。
住民が犬に恐怖を持つか、猫を不快に思うかの割合で、彼らの環境は大きく変わる。

人間を分析すると、
犬好きは、従順、団体行動を好むサラリーマンタイプ、アウトドア派で、
猫好きは、マイペース、単独行動を好む芸術家タイプ、インドア派と言われる。
犬好きは50%、猫好きも50%という調査結果もある。

群れを成した野良犬より、野良猫のほうが安全であるが、苦情の多くは不衛生であることである。
犬猫からのマダニ感染が報告されると、野良犬猫の存在はますます嫌われる運命に向かう。
公共の都市公園であれば、管理者は駆除する立場となる。

猫のいる公園

 一方で、飼い主のいない犬猫を保護し育てるボランティアや、保護活動を進める人たちがいる。
欧米には動物虐待を訴え、動物保護を行う団体は多く、大企業レベルの資金を集める団体もいる。
しかし、日本ではまだ小市民レベルに留まり、認知度も少ない。
これが多数派少数派に関わらず、お互い誤解を生み、人間同士の社会問題にさえ発展する。

 地域にあった猫が住みやすい街の環境を作ることも、一つの選択肢かもしれない。
猫喫茶というものもあるが、犬猫が自由に動きまわれる広場は、ペット愛好家が理想とする環境である。
その実現には、愛犬家が管理するドッグランのように、猫愛好家がキャットラン?を囲い管理するしかない。



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Posted by Katzu at 12:03│Comments(0)街の環境
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