2014年11月17日

感染症で変わる生活環境

 沖縄米海兵隊は、やんばる地域の北部訓練場で、過去2か月間に90人が
レプトスピラ症に感染したとして、一部の訓練施設を閉鎖した。
                                        
感染症で変わる生活環境
                                  Marine Corp Times Nov 3.2014

 レプトスピラ症は動物の便を介した水質汚染により、頭痛、発熱、肝機能障害に至るとされる。
エボラ出血熱同様の全身出血例もあり、死亡率は5~50%、家畜感染は全頭廃棄と言われる。
死亡率は低いが、感染源が特定しにくい感染症で、ワクチンは一部しか見つかっていない。
中南米、東南アジアなどの熱帯・亜熱帯地域が感染地域であったが、地球温暖化による
ネズミなどの生物の北上が影響していると言われている。

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湧き水利用、沢遊びの制限などに至れば住民の活動範囲は狭まる。
米軍北部練習場の流域は下流ダムの取水流域と重なり、軍の事故が起こるたびに放射性物質の
拡散が懸念されているが、加えて感染症リスクも将来高まるかもしれない。

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 一方、アメリカ本土では
9月28日、ダラスでエボラ熱感染者が確認。
10月8日、感染者が病院で死亡。
10月23日、ニューヨークでエボラ熱感染者が確認。

目に見えない恐怖に街の様子はどう変わったのだろう。
市民は発病するまでの感染者のとった行動が気になる。
メディアは24日、感染者が発見されるまでの行動を公開した。
市民は自分の行動と照らし合わせ不安になり、また安堵する。

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 自分を例にとると、10月21日朝、バスで感染者の家の近くを通りラガーディア空港に向かっていた。
その日の午後から、彼はイーストビレッジ近くのミートボール屋に行っていた。
前日歩き回った近くだが、この時市民は知らずタイムズスクエアも普段の人混みであった。

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その後ニューヨークを離れたが、着いたヒューストン空港のトイレでは、洗面台が長蛇の列だった。
各自、石鹸を使い手洗いしていたからだ。その後、ダラスでニューヨークでの感染のことを知った。

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どの便も満席状態のSouth West航空は、ダラス行きだけは18席のみだった。
10日前にエボラ熱の患者がクリーブランドからダラスへ航空機で移動したと報じられていた。

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 ダラスは不幸な都市である。
アメリカ中西部の交通の要所として発展し、油田開発により中西部最大の都市となったが、
ケネディ暗殺事件が起きると『City of hate』と言われるほどのイメージダウンになり、
観光も航空産業もエネルギー産業も、隣りのヒューストンに吸い寄せられて行った。

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そして今回のエボラ熱患者の病院隔離の報道。当初は自主不登校が増えた一部の学校では
休校したが、病院の医師は空気感染しないので安全だとする声明を出す一幕もあった。
地元のホテルやタクシーでは、普段と変わらない生活だと言うが、最も影響を受けたのは観光業であろう。

ダラスは歴史性も新しいデザイン性も感じる美しい都市であるが、街中の通りは閑散とし、
ケネディが撃たれたエルム街の教科書ビル周辺だけにバスツアーの団体がいた。

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日本で同じ状況になった場合、混乱は起きず、過剰な反応と思われるかもしれないが、
こと感染症については、水際対策と迅速な危機管理対応が必要だと知った次第である。

 米メディア誌は、連日Out brake(感染拡大)という言葉が踊った。
感染地域では感染予防とともに、もともとの食糧不足に加え、獣肉食が自粛され、
国境封鎖による食糧移動が禁止されることにより飢餓状況に入ることが懸念されている。

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 2年前に台湾で発生し、今年も街の消毒で大騒ぎとなっているデング熱は、
今年あたり沖縄に来ると予想したが、沖縄を通り越して東京に跳んでしまった。

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デング熱の感染地域のパラオでは、住んだ集落にも毎年感染者が出たが、その対策は
蚊の接触を極力なくすことと、毎日手を洗い、うがいをするという習慣を続けることだけだった。

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自分の環境さえ守れない人間は自然の中ではちっぽけな存在で、対策は生活環境を狭めながら、
ワクチンが開発されるまで、感染症すべてに通じる基本的な防御習慣を身につけるだけなのである。



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Posted by Katzu at 18:26│Comments(0)街の環境
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