沖縄で見たような風景デザイン
昨年までの2年間、パラオで暮らしたときに、
パラオらしいデザインを捜し歩き、
考古学への個人的興味とともに仲間と一種の謎解きを行ったことがあった。
沖縄に滞在するうちに、その結論は、少し解釈を変え、現代の街づくりに通じる
ある確証に変わっていった。
パラオの
ケズはピラミッド型の階段状の小山である。人為的な形でこれは仏教遺跡か、
墳墓か山城か、謎とされてきた。1994年に名古屋大とパスコが調査しており、
他の数少ない調査結果からは紀元前のビーズや石棺なども発見されている。
しかもこのケズはパラオ本島に100以上あると言われる。
沖縄を車で走ってあることに気がついた。私がケズの景観に魅かれたのは沖縄的な
要素があるからだ。グスクの景観に似ているのだ。太陽を受け入れる平面的配置方向や、
自然地形にあった山城としての高台の位置など類似点に気がつく。
最も形状的に似ているのは、米軍の通信基地の丘ではあるが…..
以下はパラオでのケズのダビンチコードさがしの結果である。
パラオ本島アイメリック州のケズの位置を地図にプロットすると、主要なケズは
北北東に
並んでいることに気がついた。
その先には、Eang、Imeongや
ストーンモノリスといった古い集落や遺跡にたどりつく。
ケズは集落の高台にあり、島の南北特に、上陸可能な海水路の南側からよく見える。
一方、ケズ内部からは土器、石器、炉なども見つかっており生活可能な空間であった。
ケズは周囲の地形や整地状況から、ピラミッドのような盛土でなく、自然地形を利用した
切土であると考えられる。
これらケズは敵の侵入を見張り、次の集落に知らせるための、陶器つくりの窯を利用した
のろし台だったのではないかと推測した。しかし利用は10~15世紀頃とされたが、
生活の痕跡や紀元前の遺物の存在から、さらに古い遺跡であった可能性もある。
伝説にある海に沈んだジブタル島の地殻変動の激しい時代の、
防災城であったのかもしれない。