北パラオ村

Katzu

2011年09月09日 16:23

 宮城県蔵王町遠刈田温泉に北原尾という集落がある。
戦前、パラオには瑞穂村、大和村、清水村などの開拓村があり、
多くの日本人が入植していた。
終戦と共に日本人は全員引き揚げ、東北地方出身者を中心に
新たな開拓地を蔵王に求めた。
彼らはそのことを忘れないように、北原尾(北パラオ)と名付けた。



 平成13年当時のレメンゲソウ大統領がその話を聞き、
北パラオ村を訪問し労をねぎらった。
私もパラオに行く1週間前、代表の工藤静雄さんに話を伺った。
彼は山形県出身で、5歳の時パラオを離れたが、もう一度
パラオに行ってみたいと話していた。

そして、1年後その夢は叶い、訪問団とともにパラオで再会した。



元大統領やコロール州知事との面会も実現した。
ただ、元の農地はジャングルの中で確認できなかった。

 一昨日、名取市での打合せ後、北原尾に立ち寄る。
工藤さんの自宅に着くと、庭にいた野生のタヌキが立ち上がって、
こちらを見ていた。
奥さんが私を覚えていてくれて、笑顔で迎えてくれたが、
あいにく静雄さんは、熊狩りのオリを確認しに出かけ不在だった。



 この村は震災の影響も少なかった。
大変な苦労をしてきた分、風光明媚で温泉も近く、
平和な北のパラダイスに近づいている。
故郷を追われ、新しい村づくりを強いられた歴史は、
今回の震災にも共通するものを感じる。

 パラオでは2年間の滞在だったが、今だにその繋がりは絶えない。
今日も、州の建設部長からメールが来た。
契約は終り、後任がいるので義務はないが、
街づくりが進まないならば協力したいと思う。

他の用事もあるので、月末に再びパラオに向かう。

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