幻のパラオ焼き その後

Katzu

2011年10月02日 10:46

 独立記念日のイベントがベツレヘムパークで開かれていた。
各州のブースがあり、短時間で、何人もの知人に会えて嬉しかった。
特に自分の関わったこと、関わった人が1年後どうなったか、とても気になっていた。

 パラオは、ミクロネシアの中で一番古い文化を持っている国で、
紀元前の土器や、装飾品が出土している。
1年前、仲間とともに、その土器を再現することを試みていた。
見た目が同じ、八重山のパナリ焼きを参考に、
ようやくその謎が解けた時、日本に帰国することになった。
そして、その作り方を博物館はじめ、何人かのパラオ人にも手渡していた。



 国立博物館のブースではパラオ焼きのワークショップが開かれていた。
台湾人の陶芸家を招き、子供達にパラオの粘土で陶芸を教えていた。
これをまとめていたのが、トライアスロン協会理事のフリダさんだった。
会場では、台湾の粘土も使われていたが、
やっとパラオで良い粘土を見つけたわ、
と見せてくれたのは、まぎれもなく黄色味がかった良質の粘土であった。



 これを電気オーブンで焼き上げるという。
我々素人が試作した物より、大きく生活具として使える陶器が完成していた。
なぜ競技が中止になったか問いただすのも可哀そうだったので、
いつの間にか、焼き物の話になっていた。



 我々が目指していたものとは、少し違うが、
パラオ人自らが自分の伝統を見直し、定着すれば
ストリーボードのような、すばらしい芸術にまで高めることができるだろう。
彼らは日本人同様、真面目で器用である。



そして、これから考古学や文化人類学でも台湾と沖縄、パラオを結ぶ糸が
解き明かされていくことだろう。

 トライアスロンは失速した感があるが、こうして人と人を結びつける思いが、
形になるのを見つけただけで、今回来てよかったと思った。


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