震災復興計画その19
震災復興のまちづくりをどう進めるべきか。
これからの被災地の街をどう創っていくか。
計画屋のはしくれとして、使命感を背中に感じ、2か月間、
調査と計画を建て自分なりにまとめてきた。
各県市町村に出向きその資料を説明してきた。
個人の活動としてはここまでだった。
と同時に遅々として進まない理由が明らかになった。(震災復興計画その16)
先月、国の震災復興会議委員のA先生と那覇で一献する機会を得た。
今回の沖縄滞在の一つの理由であった。
自分の意図、先生の考えとは違う国の対応が浮かび上がった。
その時危惧された事態が、一連の首相退陣の政治劇であった。
一方、各学会、教育機関、コンサル、民間大手デベロッパーの新都市計画が、
少しづつ発表されるようになった。
これらの内容と動きは予想通りで、
再生エネルギーを活用した
スマートグリッドシティ、コンパクトシティ、経済特区、漁業特区、復興カジノ、
農漁業の集約化、津波の多重防御策など、硬軟交えた計画が提案されている。
国交省は、
都市再生特別措置法、市街地建築制限特例法、
災害事業復旧代行法の従来ベースの法案変更が精いっぱいで、
新規の法案提出は望む術もない。
各地方公共団体は震災復興計画を公表した。
宮城県震災復興基本方針、岩手県復興基本計画案、
しかし、国の補助金の成立がなければ、
単費持出しで事業を進めるしか方法がない。
都市計画の基本は土地政策である。
宅地供給のために必要な、急がれるべき、法制化、住民コンセンサスを
得るための動きがないことを指摘する人はだれもいない。
生活補償、営業補償、住宅補償、いずれも大切であるが、土地の補償に
関した国の方針が全く示されていない、ということは街づくりは現時点で
進められないということである。
民間の計画をあと押しするような、政策、法案が通り動き始めるか、
新しい補助制度に民間が付いてくるか、どちらにしても、
従来の政界と業界との構図は変わらない。
来週から、街づくりの基本である
住民と各自治体との接点がどこにあるかを、
被災地で探ってみたい。
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