震災復興計画その19

Katzu

2011年06月19日 08:48

震災復興のまちづくりをどう進めるべきか。
これからの被災地の街をどう創っていくか。
計画屋のはしくれとして、使命感を背中に感じ、2か月間、
調査と計画を建て自分なりにまとめてきた。
各県市町村に出向きその資料を説明してきた。
個人の活動としてはここまでだった。
と同時に遅々として進まない理由が明らかになった。(震災復興計画その16)



先月、国の震災復興会議委員のA先生と那覇で一献する機会を得た。
今回の沖縄滞在の一つの理由であった。
自分の意図、先生の考えとは違う国の対応が浮かび上がった。
その時危惧された事態が、一連の首相退陣の政治劇であった。

一方、各学会、教育機関、コンサル、民間大手デベロッパーの新都市計画が、
少しづつ発表されるようになった。
これらの内容と動きは予想通りで、再生エネルギーを活用した
スマートグリッドシティ、コンパクトシティ、経済特区、漁業特区、復興カジノ、
農漁業の集約化、津波の多重防御策
など、硬軟交えた計画が提案されている。

国交省は、都市再生特別措置法、市街地建築制限特例法、
災害事業復旧代行法
の従来ベースの法案変更が精いっぱいで、
新規の法案提出は望む術もない。
 各地方公共団体は震災復興計画を公表した。
 宮城県震災復興基本方針、岩手県復興基本計画案、
しかし、国の補助金の成立がなければ、
単費持出しで事業を進めるしか方法がない。

 都市計画の基本は土地政策である。
宅地供給のために必要な、急がれるべき、法制化、住民コンセンサスを
得るための動きがないことを指摘する人はだれもいない。
生活補償、営業補償、住宅補償、いずれも大切であるが、土地の補償に
関した国の方針が全く示されていない、ということは街づくりは現時点で
進められないということである。
民間の計画をあと押しするような、政策、法案が通り動き始めるか、
新しい補助制度に民間が付いてくるか、どちらにしても、
従来の政界と業界との構図は変わらない。

来週から、街づくりの基本である住民と各自治体との接点がどこにあるかを、
被災地で探ってみたい。

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