福島村の復興

Katzu

2012年04月21日 18:14

 

 名取市、飯館村を訪れ、大熊町の仮庁舎のある会津若松市に行った。
今、県や国に提案している制度の内容と、地元の意見を聴くためである。
 大熊町は、避難先で行政機能や商業機能をもつ
“仮の町”復興計画素案をまとめ、いわき市を候補地として作業に入った。
奇しくも、同じく帰還困難区域を含む、浪江、双葉、富岡各町が歩調を合わせ
“仮の町”構想を表明し、この件で復興庁といわき市が会談を行った。
ようやく国が動き出しそうで、早く道筋を整えてもらいたいと願う。

 大熊町長との面会は実現しなかったが、担当課と面談し事情を伺った。
“仮の町”完成まで約4~8年を要し、その間の補償問題、
受入れ市との調整が課題になるようだ。
“仮の町”は動き出したが、まだ実施は不透明で、
複案や方策の検討が必要であるとも語った。



 原発事故対応としての行政機能の移転は必至である。
町の機能移転は過去にも事例はあり、当初は課題山積であるものの、
都市はその後成長し、いずれ成功している。
人が生活し、産業が派生するまでは長い時間がかかる。
町の核をどこにするかは重要なポイントである。
土地の選定には、広大な土地を持つ福島県内から
幾つもの候補地ができるだろう。



 一方、既に県外で働き始めた人々や、放射能の不安から逃れたい人々、
様々なライフスタイルを持ちたい人々は必ずしも“仮の町”を選択しない。

東北地方に多かった戦前の海外移住のように、
福島村が県外に幾つもできる方が現実的かもしれない。

 その選定が容易に、合法的に行える制度をつくり、
“仮の町”の次にあるものを想定しなければいけないと思う。
個人の力など微々たるものだが、何かのきっかけづくりが
自分にとっての災害復興活動である。

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