ブナ林とみちのくの花の山

Katzu

2011年07月11日 09:44

 ブナ林に入ると気が落ち着く。
ブナ林に戻ったのは、夜に見たもののけ姫のせいではない。
たぶん、縄文時代からの日本人としての血がそうさせるのだろう。



緑に囲まれた林に入ると、みずみずしく冷たい空気が、体に染入るのを感じる。

氷河期後期の縄文時代からブナ、ミズナラなどの落葉広葉樹林体は
西日本から北海道までを覆っていた。
雪に強いブナは東北の日本海側に多く残った。
一方、低山のブナは伐採され、朝日連峰では標高500mから1200mに分布し、
豊かな生物体系を維持している。
ブナの大木は約25m間隔に育ち、互いのテリトリーを守っている。
     
 標高1000mを越えると、針葉樹も増え、湿原植生はじめ
きらびやかな高山植物が多く見られるようになる。


              ヒナザクラ


               ハクサンチドリ


               シラネアオイ


               ヒメサユリ


               イワハゼ

このコースは花の100名山にも選ばれている。
高山植物は、この梅雨の時期が一番美しいが、この日出会った人はたった2名であった。

標高1500mを越えると低木になり、ハイマツ地帯から最後は地被類のみとなる。

 これらのルールは、地球温暖化が進む現在も変わらない。
海面上昇や水温の上昇が進む海よりも、山の環境の変化は小さい。
全体的に植種は変らないが、全体的に小振り、花の色が淡く感じられる。
森の湿気の変化か、ブナ等に付く地被類、大きなナメクジ、ヒキカエルも
少なくなったと感じる。

 標高1500mを越える尾根にもウグイスが住む。
ケチョ、ケチョ、ケチョと自分の縄張りに入った相手を威嚇する。
すると遠く300m先から、ホーホケキョと第2のウグイスが鳴く。
その間で、偽のウグイス(自分)がホーホケキョと鳴くと
第一のウグイスがメチャクチャきれいにホーホケキョと返し、
尾根筋をついて威嚇しながら登ってくる。
このテリトリーはブナと同じくずっと変わらない。

 サルは里山にも姿をみせるようになった。
電柱の裏側にサルが隠れていた。
じっと見ていると、緊張に耐えられなくなり、ステーをすべり落ちた。
悪さを見つかった子供のようで、サルも人間らしくなったと感じた。



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