パラオ最高峰登山

Katzu

2011年10月10日 19:41

 

 パラオの最高峰は、ゲルチェレチュース山(242m)である。
5年前のガイドには最高峰は聖山ルイスアルモノ山となっており、
その時は新しい最高峰発見か?と内輪で話題になった。
でも、意外にこの山に登った人は少ない。
前にグループで行ったが、道がすべり途中であきらめた。
いつでも行けると思い、2年間が過ぎてしまった。
無知な旅行者の立場の気安さもあり、
午前中だけ空いた、帰る前日に出掛ける。
持物は、水と滑らない靴と合羽、傘は落雷の危険があり厳禁である。

 山はアルモノグイ州にあり、入り口はコンパクトロードの
ガラスマオの滝の手前にある。
石畳の旧道が平行に走る、コンパクトロードの
直線道路の最高点付近である。
この周辺は低木地帯で、野火?で土地が焼けている。



 コンパクトロードを直角に西に曲がり、車で行ける所まで入る。
私有地、管理地の柵などはない。
石畳を越えて進む。
この石畳は明治以前に造られ、ガラマオドッグまで
続いているが、海まで行った人はいない。
次回探検したい。
途中、ウンケシウ山というパラオ第2の標高の山があるが、
山を巻き、石畳をはずれまっすぐに西に進む。
道は凹凸がひどく、赤土で雨の日はかなり滑る。
大型4駆でも厳しい。



サバンナのような痩せた大地を行くと、丸い丘が現れる。
そこがパラオの最高点である。
汗をかき始めハイキングの気分になった途端、着いてしまう。



 最高地点には古い剣の代わりに電信塔があった。
1級基準点はなかったが、測量屋ならきっと点の記にしたと
思われる石を見つける。

驚くべきことは、大正10年に、既に大日本帝国陸地測量部
パラオの1/25,000地形図を作っていたことである。
これによると三角点はないが、ガラカウクウス山239.3m
単点表示されていた。

 頂上まではゆっくり歩いて40分程度である。
ここにはハブもクマも首狩り族もいない。
考えられるリスクは、ハチと雷くらいである。
頂上からは天気さえよければ、バベルダオブ島の北側の
ほとんどが360度見渡せる。



確かにルイスアルモノ山よりも高い。
国会議事堂も見える。
ガッパンからアルコロン、ガラルド、ニワールの海岸も
見渡せる唯一の場所であろう。



なぜここが観光スポットにならないのか。
それは所有権の問題か、単調すぎるアプローチのせいか、
やはりパラオのメインは海なのである。
観光的キャッチコピーを考えれば、魅力的である。
ここから数キロ南には、ゼロ戦の不時着ポイントがあるが、
付近にもきっと戦争の遺物はあるだろう。

ここに登り、パラオ随一、高い空間を一人占めすると、
パラオ本島のスケールを感じてしまう。
そしてわかったことは、
本島北側の痩せた山の環境は、海の環境と表裏一体を成す。
コロール周辺の大木のある島は、海の環境も変化に富むが、
この辺の海は海岸からリーフエッジに至る単純な構成となる。
海の透明度は高いが、生物の多様性はこの山同様に劣る。

 一度はこの単純な山から、Another Side Of Rock Island Palau
自然の構成を見て欲しい。
ここまで来ると、次回は、やはりたたりを祓い、許可を受けて、
聖山ルイスアルモノ山に登ってみたい。



昨日、KPCの委員と話していたが、台湾の花蓮が良いという話題になった。
海抜0mの花咲くサンゴ礁から4000m近い高山に登るそのルートを、
一度は登ってみたい。


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