2017年03月30日

進むアジアのネット環境

 正月にはじめてスマホを買った。ブログなんてやってる割にはネットに無頓着であった。日本の携帯電話の成長に2年間遅れたこともあるが、高すぎるスマホ代に対する疑問と抵抗でもあった。
通信費を月1万円に抑えるべく徹底的に見直しを行った。その結果、固定電話とAUのキャリアメールは失くすことができず、ルーターは田舎に強いYmobile、スマホはRmobileのSIMフリーの組合せで、定額オーバーはテザリングすることにし、結果3キャリアの電波を使うはめになってしまった。

進むアジアのネット環境

 3年前、指の大きな黒人には普及しないだろうとタカをくくっていたアメリカでも、貧困層の労働者がバスなかでスマホ賭博をしていた。4年前までは路上電話だったミャンマーでも、スマホは若者に確実に普及していた。色々な国で聞いた話を総合すると、普及の理由は月30ドル程度というのがグローバルな価格であると認識した。1台で1万円を越えるなんて世界中で日本だけが異様に高かった。
昨年、日本のグローバル化を遅らせた要因でもあるSIMロックの縛りもなくなり、格安SIMフリーの時代にようやく突入した。

進むアジアのネット環境


アジアの観光地では、どこでもだれでもスマホをかざして歩く姿が常態化している。治安の悪い所ではターゲットになるが、それだけアジアの治安とネット環境が整ったためでもある。


 香港では中国本土に比べGoogleが繋がり、WIFI環境も整っているので、今までも不便を感じたことは一度もなかった。

ベトナムでは都市部を中心に4G・LTEが普及しはじめており、田舎でも3Gで途絶えることなく速度も遅いと感じたことはなかった。日本に比べ電波が複雑に込み合っていないせいかもしれない。

進むアジアのネット環境

キャリアは最大手のViettelが全土を網羅しており、Mobifoneが追随している。ハノイ空港に着きViettelの看板を見つけプリペイドSIMをセットしてもらう。先客がなく、この間5分。SIMカードをコンビニで購入し、自らSNSで番号をもらいAPNをセットしチャ―ジすればさらに安く済むが、ツーリストSIMはスマホの言語を英語にセットして店員に渡すだけなので、ネット音痴でも助かる。

親切この上ないこのブースは、ツアー会社も兼ねていた。というよりツアー会社だった。翌翌日にホアビンかホアル―に行く予定だったがその料金が予定の半額なので、ついでに予約してしまった。店員もホイホイとニコニコ顔になった。

進むアジアのネット環境

その意味がわかったのは宿に着いてからで、宿のツアーはさらにその半額だった。つまり現地ツアーは日本人ツアー予約の1/4になるということだ。この黄金律は他の国にもあてはまる。
総額にSIM代が含まれていなかった。店員には通話なし10日間2GB程度と告げたが、同社のSIMは30日3GBで10ドル程度なので、ツアー代金込みでサービスしてくれたのかもしれない。

進むアジアのネット環境


 カンボジアはSMARTとMetfoneがツーリストSIMを提供している。ベトナム同様4G・LTEが提供されており、プノンペン、シェムリアップ市内は問題なく使えた。さすがに40km離れたベンメリア遺跡では3G、トンレサップ湖ではつながらなかった。

進むアジアのネット環境

シェムリアップ空港で購入するつもりだったが、迎えを待たせるため市内のショップを探した。ナイトマーケットの先のバイクレンタル併設店で5時の閉店間際だった。同じくツーリストSIMをセットしてもらう。1週間2GBくらいと告げると、これしかないと通話付き3.5Gで10ドルだった。
さらに同社には文字通りSIMフリー(ただ)、という3日分のツーリストSIMもある。キャッシュサービスも疑わしくサラリーマンの月収が3万円ほどの国で、このネット環境は数年前の日本と同じレベルと考えると、ものすごく進んでいるように感じた。

進むアジアのネット環境



 タイではAIS 、DTAC、TrueMoveが3大キャリアと言われる。ドンムーアン空港のTrueMoveのツーリストSIMは7日間3GBで299バーツだった。同程度のものをセブンイレブンで購入し、自分でセットすれば100バーツくらいでできるらしい。

進むアジアのネット環境

タイの4G・LTEのサービスエリアは、日本同様、ほとんどの都市部を既にカバーしている。前回はマクドナルドでWIFIが繋がらず、約束の時間が近づき泣きそうになったことが懐かしく思えてくる。

進むアジアのネット環境

この国の面白いところは、平均年齢が若く、オープンにネットライフを楽しんでいることである。そのライフスタイルは宗教においても同じで、中にはタブレット端末を持つ神様もいる。その背後には亡くなったプミポン国王の遺影が飾られているというのに。

進むアジアのネット環境

東南アジア3カ国を1か月近く、SIMフリースマホと3枚のツーリストSIMを使い、快適なネット環境を確保できた。他人任せの総額20ドルのSIM料金は、海外ローミングや空港でのWIFIルーターレンタルのたった1~2日分に相当する。
ツアー旅行では、空港で各個人がツーリストSIMの設定のために並ばれては、団体旅行が成立しないので、高いWIFIルーターレンタルを勧める流れになっている。

進むアジアのネット環境

 日本の旅行ビジネス環境に目を向けると、さらに悲しい現状が見えてくる。てるみくらぶの倒産は、ツアー旅行の行きつく先を暗示するもので、リスク管理も含め、旅の予約は自分でするのが基本である。

スマホが今のシステムになったのは、先陣を切ったDoKoMoの責任か、3大キャリアの忖度(そんたく)か陰謀かは知らない。しかし、携帯は自分で機種を選択して、通信量がなくなれば課金して使うのが多くの国の常識で、キャリアの勧めるままに選択の余地なくiPhone7を購入するのは日本だけである。

進むアジアのネット環境

訪日外国人の目には、スマホデビュー、海外旅行にレンタルルーターを、という広告は奇異に映るだろう。
モノ作り日本のメーカーが、アジアの他のメ―カ―に遅れを取ったのは自明の理なのである。

アジアのネット環境は、若い国の方が経済発展も、変化するスピードも速いと教えられた気がする。

進むアジアのネット環境



同じカテゴリー(ビジネス環境)の記事
LCCのビジネス環境
LCCのビジネス環境(2015-04-29 11:43)

WHAT’S NEXT?
WHAT’S NEXT?(2015-03-02 18:11)


※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。