24日、日本列島を覆った寒波は沖縄にも到達した。
朝の海は波が高く、風が強く、どんよりした冬の日本海のようだった。
ベランダに温度計を置き測ると、夕方には10℃を切り、
名護に来て初めてエアコンの暖房を入れた。
以前から沖縄に降る雪の条件を調べていたが、気温7℃以下、
湿度60%、北北西の風の条件は整いつつあった。前掲:
沖縄に降る雪
うたたねをしていると10時過ぎにベランダを打つ音がして目が覚めた。
まもなく外に出ると、雨音ではなくみぞれの音だった。
雨が雪混じりに変わる北国のみぞれのイメージではなかった。
あられのようでもあり、雨混じりの吹雪のような突然の出来事で、
濡れたコンクリート上で、雪自体を手にすることはできなかった。
ニュースでも本島各地で雪が観測されたと報じられた。
積雪はなく、正確には雨混じりの氷あられというべきだろう。
吹雪特有の風雪が過ぎ去り、雲の隙間からは空も見えていた。
恐らくもっと早い時間帯でも雪は混じっていただろう。
この時の気象データを見ると名護の気温は22時に5.7度、湿度は
76%、北西の風8.9mであった。雪が生成される地上条件から、
降り続くみぞれではなく、雪と雨の境界付近ということなる。
この条件は1977年2月17日の久米島の気象条件に似ている。
今回は湿度が高いため雪というより雨に近いみぞれとなった。
いずれにしても、観測史上、奄美以南では39年ぶり2度目、
沖縄本島では初めての雪ということになる。
1年を通し日本列島と一体感を感じるこの時期。
沖縄に降る雪は、一瞬の幻のように嵐とともに過ぎ去った。
今朝はまた一段と冷え、雪の降った本部の山々からは
晴れ間と雨雲が交互に押し寄せてきた。
海岸は南西諸島のように砂浜には魚があがる様子は
なかったようだが、港の岩壁にはいつもは騒々しい
ハゼやカニなどの生き物の存在すら感じなかった。
焚火の扱いを知らない子が起こした火事のサイレンが鳴り響いた。
振り返ると、街の空にはいつもと違う冬の虹がかかっていた。