2011年08月15日
間違いだらけの日本の道路
ロードバイクで道路を走ると、その地域の自転車の普及度が解かる。
異常に離れる車やクラクションを鳴らしたり、幅寄せしたり、
自転車慣れしていない地域では、車が特殊な反応を示す。
日本では自転車は交通弱者の立場になる。

道路の優先順序はどうか。
写真は、オランダのアムステルダムの例である。
一方通行の車道と歩道、自転車レーン、MRTの専用レーンがある。
ここに馬車が走り、車がよける。
しかし、そこには右側通行を守った自転車が走る。
歩道は人通りが多いが2m程度で歩車道境界ブロックもない。
2車線の一通道路であるはずなのに、車が道路を走らせてもらっている。
この道路の優先順位は、
馬車⇒自転車⇒MRT⇒歩行者⇒車、である。
もちろん、世界一の自転車大国の例であるが、欧州の各国は
これをモデルに、環境にやさしい街づくりを目指している。
日本での優先順序は、
車⇒MRT⇒歩行者⇒馬車・自転車、であろうか。
馬車は道路交通法上は自転車と同じ軽車両である。
法律上は優先順位などもちろんないが、道路構造令上はこうなってしまう。

構造条件の厳しい橋梁部を見てみる。
歩道は3m程度でブロック舗装、観光地ではあるが
この長い橋梁を歩く人は少ない。
設計上はアベックが手をつなぎ、車いすが1台横並びに歩ける幅員である。
ブロック舗装なので自転車は想定していない。
自転車は50cmの路肩を走るだけである。
しかも、排水溝のエプロンもあるため、白線上を走らなければならない。
道路構造令の矛盾は、自転車の走行必要幅を1mと定義しながら、
路肩幅を50cm以上としている点だ。
今まで、2輪事故を起こした人が国を訴えるケースはなかったのだろうか。

交差点部ではこの順位が際立つ。
右折車線が増えることにより、標準部で1mの路肩が50cmまで
縮小されている。
海沿いはゴミや砂が貯まり易く、実質の路肩幅さえ確保できていない。
都市部で歩道幅を狭める例も多い。
日本の交通行政の最大の失敗は、自転車の歩道通行を認めたことである。
欧州では自転車とバイクは同じである。時速30~40kmで走り、
歩行者はそのレーンの横断に、車道並みの注意を払う。
用地取得の難しい日本では、自転車は自歩道か車道外側線上に追いやられた。
歴史や自然環境の違いという意見もあるが、日本は世界一の自転車保有国であり、
オランダやドイツは、強風、氷雪と日本以上に自転車に過酷な環境である。
構造令や基準を守り、補助金を得るため、議会の説明のため、
このような設計は、何の疑問も持たず、日本全国おなじ状況で行われる。
設計者として、テクニカルに同じ作業を繰り返すことに
加担してしまった一人として、呵責の念に堪えない。
異常に離れる車やクラクションを鳴らしたり、幅寄せしたり、
自転車慣れしていない地域では、車が特殊な反応を示す。
日本では自転車は交通弱者の立場になる。

道路の優先順序はどうか。
写真は、オランダのアムステルダムの例である。
一方通行の車道と歩道、自転車レーン、MRTの専用レーンがある。
ここに馬車が走り、車がよける。
しかし、そこには右側通行を守った自転車が走る。
歩道は人通りが多いが2m程度で歩車道境界ブロックもない。
2車線の一通道路であるはずなのに、車が道路を走らせてもらっている。
この道路の優先順位は、
馬車⇒自転車⇒MRT⇒歩行者⇒車、である。
もちろん、世界一の自転車大国の例であるが、欧州の各国は
これをモデルに、環境にやさしい街づくりを目指している。
日本での優先順序は、
車⇒MRT⇒歩行者⇒馬車・自転車、であろうか。
馬車は道路交通法上は自転車と同じ軽車両である。
法律上は優先順位などもちろんないが、道路構造令上はこうなってしまう。

構造条件の厳しい橋梁部を見てみる。
歩道は3m程度でブロック舗装、観光地ではあるが
この長い橋梁を歩く人は少ない。
設計上はアベックが手をつなぎ、車いすが1台横並びに歩ける幅員である。
ブロック舗装なので自転車は想定していない。
自転車は50cmの路肩を走るだけである。
しかも、排水溝のエプロンもあるため、白線上を走らなければならない。
道路構造令の矛盾は、自転車の走行必要幅を1mと定義しながら、
路肩幅を50cm以上としている点だ。
今まで、2輪事故を起こした人が国を訴えるケースはなかったのだろうか。

交差点部ではこの順位が際立つ。
右折車線が増えることにより、標準部で1mの路肩が50cmまで
縮小されている。
海沿いはゴミや砂が貯まり易く、実質の路肩幅さえ確保できていない。
都市部で歩道幅を狭める例も多い。
日本の交通行政の最大の失敗は、自転車の歩道通行を認めたことである。
欧州では自転車とバイクは同じである。時速30~40kmで走り、
歩行者はそのレーンの横断に、車道並みの注意を払う。
用地取得の難しい日本では、自転車は自歩道か車道外側線上に追いやられた。
歴史や自然環境の違いという意見もあるが、日本は世界一の自転車保有国であり、
オランダやドイツは、強風、氷雪と日本以上に自転車に過酷な環境である。
構造令や基準を守り、補助金を得るため、議会の説明のため、
このような設計は、何の疑問も持たず、日本全国おなじ状況で行われる。
設計者として、テクニカルに同じ作業を繰り返すことに
加担してしまった一人として、呵責の念に堪えない。
Posted by Katzu at 13:57│Comments(0)
│まちづくり
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