2011年10月21日

那覇のマチグワ―ラビエンス

 街歩きが好きである。
特に那覇の街で言えば、国際通りの裏側、壺屋あたりにかけての
マチグワ―周辺の小路が楽しい。
自分はおもろまちのような新しい街を、造ってきた人間だが、
歳を重ね、震災を経験したりすると、ずっと街を守り見つめてきた祠や木、
古民家に愛着を感じてしまう。

那覇のマチグワ―ラビエンス

桜坂にチケットを買いに出かけた。
隣の公園に寄る。
ここのロケーションは良いが人は少ない。
来た目的は大きなガジュマル探しであった。
ガジュマルはあったが、ソバ打ちに使う肝心の枯枝はなかった。
この公園は珍しく緑の大木が残った数少ない場所で、
様々な都市伝説を生んだ。
遺構も見つかり都計3・5・那15号は大きく迂回した。
都市計画図とここからの都市景観を見比べると、
那覇の街づくりの課題がほとんど見えてしまう。

那覇のマチグワ―ラビエンス

奇跡の1マイルの裏側は、容積制限の甘い商業地域と
壺屋の都市景観形成地域が隣合わせにある。
これを分断するのが、建設中の都計道路である。

那覇のマチグワ―ラビエンス

これが現都市計画制度の限界かもしれない。
それは、マチグワ―再開発を見据えた都市計画である。
いずれ、その選択の時が来るのだろう。

那覇のマチグワ―ラビエンス

 建物配置のばらばらな所を狙って歩くと、間違いなく、
ラビエンス(迷宮)に迷い込む。
体も分かれそうな鋭角の交差があったり、行き止まりかと思いきや、
幹線道路が見え、思った通り繋がっていたりする。
しかも階段である。
戦災を免れた建物も多く、昭和の人口密集地帯が思い浮かぶ。

那覇のマチグワ―ラビエンス

 先の希望ケ丘公園に戻ったが、多くの都市公園に共通の課題が気になる。
景観的に優れた場所にありながら、町裏の汚さが目立つ。
低木で境界をはっきりさせるべきだろう。
死角が多く防犯上も問題である。

那覇のマチグワ―ラビエンス

ノラ猫が多く臭い。弁当を開く気になれない。
猫の愛好家がここは天国だと、餌を持ち寄るブログを発見したが、
基本的にいけない。
猫はもともと好きでなかったが、世話する人が居なくなり、
結局最後まで面倒を見て、心痛を極めたことがある。
捨猫はいけない。

那覇のマチグワ―ラビエンス

 マチグワーの方向に降りて行くと井戸があった。
そこは花笠食堂のちょうど裏だった。
昔から井戸を使える好位置にこの店はあったのだ。
いつものイナムルチと煮付け定食を食べて帰った。
話題のアイステーが、最近あまり甘くなくなった。




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