2017年10月25日

台風とダブルレインボー

 台風21号が去った22日の朝、完全な形のダブルレインボーを見た。通り雨の多い沖縄でも、海上以外ではなかなかお目にかかれない。カメラを取りに戻るとティーダアミ(狐の嫁入り)になり、レンズの滴を拭くのも願いをかけるのも忘れ5分ほどで消えた。

台風とダブルレインボー


虹は太陽の反対側の雨滴が反射されて写るため、北か東から雨雲が移動し通り過ぎた時に太陽が出ると起こりやすい。この条件が揃うのは秋から冬にかけての日本海であるが、今回の場合は沖縄本島の東側を台風が通過した後、台風の海老の尻尾の吹き返しを受けて北東から雨雲が押し寄せ、背後の暗雲が安定したスクリーンとなり、東から太陽が上がった時に発生した。
台風がもたらしたダブルレインボーだった。

台風とダブルレインボー

南洋の生活を思い出した。パラオでは毎日のようにスコールがあり、その前後にどこかで虹が出た。ダブルレインボーも年に数回見ることができた。

 沖縄の夏は先週ようやく最高気温が30℃を切り終わったが、今年は台風の影響が少なく総雨量は少ないが、雨の降り方は南洋のスコールに似た断続的な通り雨が多かった。1時間後の雨雲予想も役に立たない結果になることもしばしばで、天気予報は、晴れ時々曇り一時雨が一番正解だった日が多かった。

台風とダブルレインボー


 1週間たった昨日、パラオとグアム間に台風22号が発生した。遅い発生の台風であるが過去の10月の台風は東に大きくそれるが、これは日本に接近する予想になっている。


 今年の台風の経路を例年の月別コースに重ねてみると、大陸側に向かう台風(ムラサキ)は例年通りであるが、北に向かう台風(アカ)は例年と異なり、沖縄本島を迂回し、日本本土に上陸するようになった。
この違いは台風の発生場所が異なったためとも理解できる。

台風とダブルレインボー
    気象庁台風の経路図ベース

台風はパラオ北方近海(キイロ破線)で発生することが常であった。グアム方面から西に向かった熱帯性低気圧がパラオ近海で台風になる場合がほとんどであった。今年の台風はそれ以前に発達し、グアム近海で発生するケースが増えた。
ちょうどピッチャーが投げる玉の離れる位置が後ろになり、打者の前に大きな空気の塊があるため、スライダーとツーシームを投げ分けているような感じである。

台風とダブルレインボー


今年の北太平洋の海水温は高く、太平洋高気圧の影響が強かった。
発生後2~3日間の台風経路の予測精度は格段に進歩したが、3日以前の発生予測や降雨の短期的局地的な予測にはまだ対応しきれていない。
過去のデータが変わり予測モデルが更新される以上に、気候変動が加速している証拠でもある。
ティーダアミにダブルレインボー。次はどんな自然現象を見せてくれるのだろうか。

台風とダブルレインボー



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Posted by Katzu at 17:26│Comments(0)地球環境
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