2012年10月03日

海外で働く日本人

 現在海外に移住している日本人は、外務省の23年度海外在留邦人数
統計調査によると、114万人(永住者38万人)となっている。
この中には政府関係者、報道関係者、留学生、リタイア組、
自由業、現地法人日系企業、その他民間企業が含まれるが、
小さな一つの県ができる人数である。
国別ではアメリカ、中国、オーストラリアの順となっている。
アジアの都市では、上海、バンコク、シンガポールの順である。

海外で働く日本人

 今回、アジアで働く日本人達に会ってきたが、
様々なビジネス環境があることに改めて驚かされる。
大都市で日系企業に属する例から、小さな街で個人の
店を開いている例までたくさんある。
特に、どんな街でも、日本人、特に若い人達が行動する姿を
多く見かけるようになった。

海外で働く日本人

再会した外国の研究機関で働くマレーシアのTさん、シンガポールの病院で
働くUさん、日本企業のコンサルタント事務所で働くジャカルタのIさんも、
各自、苦労や不安を持ちつつも、自炊しながら海外生活の経験値が増すごとに、
たくましく生きる姿に安堵してしまった。

海外で働く日本人

旅先で会った若者達も、単なる旅行ではなく、
大学のサークルで海外ボランティア活動をしている大学院生、
日本人学校で働きながら休暇を利用して隣国に旅行する女性、
サークルの卒業旅行から自費で卒論の調査研究に来ている学生まで、
以前とは違う自分探し、仕事探しをする若者が増えている。

昭和30年代以降の人達は、外国への劣等感や苦手意識はあまりなく、
唯物と感性の共通点を探し出すのが上手である。
彼らは、日本国内の閉塞感も、グローバル化の遅れも、
台頭するアジアの実力も最も身近に感じており、
これからの日本のカギを握っている気がしてくる。
私の周りの中高年の人達は、海外に出ている人も多く、
これからは海外で起業する人も増えるかもしれない。
しかし、一般的なこの世代の人間は、国内だけで手いっぱいで、
アジアのグローバル化のスピードには追いつけない。

 日本のビジネスマンは強く厳しい。
反日感情の高い中国に、消費人口が多い理由で、
敢えて薄利多売のビジネスを果敢に行う。
リスクを承知の上、集団で仕掛ける高度成長時代から変わらぬ手法だが、
違うスタイルが良いのはわかっていても、過去のスタイルを踏襲する。

 もうすでに日本の一人当たりGDPを越えたシンガポールや台湾をはじめ、
アジアの新興国の生産能力の向上は速い。
日本企業が同じ手法で、以前の収益を上げることは不可能なのに、
国内ではまだ同じ投資を繰り返す。
この感覚の差が一連の問題を助長していないだろうか。
いずれ経験が、日本人の海外でのビジネス環境を変えていくだろう。

そんな話をしながら、彼は人種の人混みの中に消えていった。

海外で働く日本人



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