2013年03月10日

アジア最後のフロンティア

アジア最後のフロンティア
          オールドバガン

 ミャンマー(ビルマ)は、日本の4倍の国土に、日本の約半分の
人口の6千万人が暮らす国である。数多くの宗教遺跡とともに、
海山川湖の自然にも恵まれ、未開の観光資源の宝庫である。

アジア最後のフロンティア
          シェエダゴン パヤ-

敬虔な仏教徒が多く、人種的な偏見も少なく、真面目で犯罪発生率は低い。
昨年来、市場が開放されてから民主化のスピードは一層加速し、
特にビジネス関連での話題に事欠かない。
邦人用の人材派遣のサイトもあり、日本国内の中小企業から海外輸出関連の
大企業までビジネス進出、投資の興味対象となっている。

アジア最後のフロンティア
          マハバンドゥ-ラ公園

 人件費の安さはASEAN諸国でも群を抜き、西欧諸国の進出が遅れているため、
海外進出を果たしたビジネスマンの眼には、未知の魅力にあふれた
アジア最後のビジネスフロンティアに映る。
政府要人の交流も始まり、地元の人も好意的に受けとめている。
日本のODAのお家芸とも言えるインフラ整備の投資が、今後進むことは誰の目にも
明らかで、首都圏交通網整備計画、港湾計画、工業団地計画が進もうとしている。

 しかし、その前にこの国の整備課題は山積みである。

○ 総体的に、交通・電気・下水道などのインフラの整備が遅れている。

○ インド洋東部の高温多湿のアジアモンスーン地帯にあり、
  洪水、熱波、暴風などの自然災害が多い地域である。

○ 少数民族国家であり、その紛争地域だけでなく、国土の半分は自由に行き来できない。

アジア最後のフロンティア
       地球の歩き方より

○ 民主国家に進む過程なので、国内で軍事衝突が起きる可能性は皆無ではない。

○ 北部地域は中国経済に依存しており、旧共産圏の影響力は依然強い。

 以上はラオス、カンボジアにも似た状況ではあるが、決定的な違いは
旧宗主国がイギリスである点である。
街中では、バス以外はほとんど英語が通じる。
ホテルの朝食は、イギリス風何もないブレックファスト、都市計画はイギリス式
衛星都市風、植民地時代のビクトリア様式の建築物も多く残っている。

アジア最後のフロンティア

 大都市はすでに車社会で、至る所で渋滞が発生する。
車は右ハンドルの日本車がほとんどだが、車通行は植民地施策を排除するため、
右側通行に変更したという。

アジア最後のフロンティア

 ミャンマーは、主食を自給できる農業国であるが、
東南アジアの最貧国たる状況は、中部の乾季の農地を見れば理解できる。
作業牛はやせ衰え、鳥さえ見かけない灼熱のデザートが土地をやせ衰えさせる。

アジア最後のフロンティア

この国の希望は、両親思いの若者の笑顔であろう。
ロンヂ―を履き、白いタナカを顔に塗った人達が大勢まちにあふれる。
内戦直後のカンボジアの若者や、子供に労働や懲罰を強いる
幾つかの発展途上国とは、状況が少し違うように感じる。

アジア最後のフロンティア

この国の変化はものすごく速い。
円安に傾いた理由もあるが、旅費の出費が計画通りに進まない。
最新のガイドブックでさえ、ホテル代はすでに1.5倍近く高くなっていた。
すべての交通費や拝観料に至るまで、総じて値上がりしているのである。
市場開放に合わせ、ビジネスマンや観光客が増えることは良いことではあるが、
足元変わらず、高利を稼ぐ態度は観光立国にはまだ程遠い。

アジア最後のフロンティア

 ヤンゴンの歩道橋からス-レーバヤ―を望む。
手前の交差点は、数年前デモを撮影した邦人が軍に射殺された箇所であった。
1年前までは、駅舎などの公共施設は、写真を撮らないようにとガイドブックにあった。
国民が民主化を選んだとしても今は過渡期で、今までの利権を得た階級が残っている限り、
何が起きるかわからない。
旧共産圏の公務員の不親切さはどこも同じで、公共機関のサービス性は低く、
一番近寄りがたい態度だったのが国軍兵士で、時代錯誤の武力階級を体現していた。

 ビジネスマンは、これから民主化が進む社会で、金儲けの前にやるべきことと、
この国の状況と人々が考えていることを、常に念頭に置いて行動すべきだろう。
都会は、30年前のバンコクのように雑然としているが、この国の最大の魅力は
変わらぬ仏教崇拝と、美しい農村環境にあることを忘れてはならない。

アジア最後のフロンティア
          インレー湖 水上集落



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