2011年09月29日

台湾の日本建築物

 明治から昭和にかけて作られた建築物は、日本近代建築の黎明期にあり、
威厳を保ちながら、想像性や機知に富んだ建築物の傑作が造られた。
日本統治時代の建物は多くが壊されたが、台湾では残され維持されてきたものが多い。
その代表が台湾総督府である。

台湾の日本建築物

森山松之助の設計で、東京駅同様、辰野式建築物の代表作と言われる。
大正15年に造られ、赤煉瓦と白の配色が美しい。
真東からの正面景観は、他の国の首都建築物に引けをとらない。

台湾の日本建築物

監察院なども同様なデザインであり、
現存する公共施設は、一定の意匠統一がなされている。

 地方に行っても、日本統治時代の雰囲気を残す建物が多く残る。
これは花蓮市にある、松園別館と言われる
高級将校の招待所として使われていた建物である。

台湾の日本建築物

 現在は、お洒落なギャラリーとして利用されている。
蓮の花咲く池の前で、果実茶を飲んでいると、うたた寝してしまい、
自分がどこにいるかわからなくなってしまった。

台湾の日本建築物


 その近くの道を歩いていると、突然日本的な通りが現れた。
ガジュマルと生垣が美しい、南洋の日本の街並み。
現在は住んでいないが、統治時代の官舎がそのまま保存されていた。

台湾の日本建築物 

 アジアの他の国々では、被支配者の立場から壊された建物が多いが、
台湾ではそれを今でも維持管理しながら、大切に保存している例が多い。
日本でも見ることの無くなった、戦前の木造平屋建ての官舎を歩いていて、
無性に感動してしまった。

 台湾は、恐らく世界で最も日本語が通じる国で、道に迷うこともトラブルもなく、
不快感もなく、安全に旅行できた数少ない国である。
そこに親日が加われば、感謝せずにはいられない。



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Posted by Katzu at 22:01│Comments(0)アジア
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